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小論文指導の劇的ビフォーアフター

こんにちは、潜龍舎代表の佐藤です。

潜龍舎での小論文指導を受ける前と、

受けた後の実際の小論文答案を見てもらいましょう。

厳しい小論文指導の実際の様子や

内容について知っていただくと同時に、

受験生の書いてくる小論文の何がダメなのかを

理解していただき、ポイントを学んで

いただければと思います。

 

指導前―BEFORE―

 

潜龍舎 小論文講座 第一回 課題

2018東京学芸大学E類教育支援専攻

ソーシャルワークコース 小論文問題(課題文型小論文/字数:1000字以内)

 

実際の小論文答案(冒頭部分抜粋 原文ママ)

(第一回答案は、まだ一切指導が入っていない状態です。)

現代には自己責任論が蔓延していて、誰かが何かに失敗しても、自業自得だとしてその人を助けようとしない。失敗や挫折をした人は、集団や社会からはみだした者として排除されてしまう。社会に適応できないことや他人と違うと見なされることを恐れて、無理をしてまわりに合わせていても、いつか我慢の限界が来る。現代とは生きる価値を見つけづらい、生きにくい世の中なのではないだろうか。

 このような現代で生きる価値を見失ってひきこもる人に対して、私は個人に合った様々な選択肢が必要であると考える。

 

潜龍舎アドバイスレポートより一部抜粋

まず、この小論文は論点が定められていないため、何について、何を目指して、書かれているのかがわかりません。論文には、論点が必要です。いきなり、ひきこもりの対策のようなことを書かれても、何を目的としてそれらが述べられているのか、読み手はまったく共有できません。

次に、設問の意図を正しく理解できていないです。設問は、「傍線部の筆者の捉え方に対して、あなたはどのように考えるか」を問われています。「ひきこもりに対して、あなたの考える対策を述べよ」とは言われていません。しかも、課題文では「(ひきこもりの)要因は実に様々で、ひきこもるのを防ぐ、あるいは抜け出す単一の妙手はありません。」とまで言われています。この問題は、自己責任論が蔓延する現代社会のあり方を考察し、社会や社会福祉のあり方を検討することが求められています。ひきこもりになる人が多いのは、自己責任論にもとづき、自分の存在感を否定され、生きる価値を見失っているからだという筆者のとらえ方に同意するならば、問題とするべきは、自己責任論が蔓延する社会のあり方であるからです。このあたりの問題把握の仕方にも、〇〇さんの解答には難があったように見受けられます。「傍線部に対する筆者のとらえ方」について論じられていない点で、〇〇さんの解答は完全に的外れなものになってしまっているのです。それゆえ、この解答で得点することは難しいと思われます。したがいまして、この問題についてはこのレポートや模範解答なども参考に、書き直しをされることを強くおすすめいたします。

まずは、設問の要求に愚直に従うようにしてください。今回の問題に対しては、「傍線部に対する筆者のとらえ方」を直接的に論じる必要があります。筆者のとらえるひきこもりの実態についてどのように考えるのか。自己責任論に問題があるのは明らかなのだから、自己責任論に対してどのような見解を示すか、そのうえでこれからの社会あるいは社会福祉はどうあるべきか、こうした方向に思考を展開していけるとよかったです。

 

 

上記のように、初めて書いていただいた小論文にも容赦ないコメントですね(笑)。これが、潜龍舎の小論文指導です。そして、誰もが最初の小論文は、ボロボロです。設問の要求に応えられていない、アサッテの方向の答案が提出されてきます。さあ、この答案がどうなるでしょうか!?匠の技で、合格する答案に仕上がるのです。

 

指導後―AFTER―

潜龍舎 小論文講座 第六回 課題

課題:東京学芸大学E類教育支援専攻

ソーシャルワークコース対策

潜龍舎 オリジナル予想問題

(課題文型小論文/字数:1000字以内)

 

実際の小論文答案(冒頭部分抜粋 原文ママ)

課題文では、バリアフリー・コンフリクトの問題について述べられている。バリアフリー・コンフリクトとは、誰かのためのバリアフリーとなるものが、他の誰かにとってのバリアとなってしまう事態のことである。筆者は、このバリアフリー・コンフリクトを問題視している。それでは、バリアフリー・コンフリクトの問題にどのように対処すべきだろうか。その対処法は、大きく3つあると考える。

 

模範解答

筆者は、点字ブロックを例に挙げ、特定の障害のためのバリアフリー化が、他の障害のある人や障害のない人にとっての新しいバリアとなるバリアフリー・コンフリクトの問題の存在を主張している。この問題は、ただ単に障害を取り除いたり、対処療法的な対応をするだけでは本質的な解決にはならないと考える。なぜなら、何がバリアとなるのかは、相対的なものであるからだ。それでは、こうしたバリアフリー・コンフリクトに対してわれわれはどのように向き合っていくべきだろうか。その方法は、大きく2つあると考える。

 

潜龍舎アドバイスレポートより抜粋

「次の文章を読んで、後の問いに答えよ」という設問の要求を満たすためには、課題文の内容を踏まえていることを示す必要があります。したがって、冒頭部分では、自分が読み取った内容やポイントを簡潔に提示する必要があります。今回の答案では、この点が上手くできていました。課題文の内容を簡潔にまとめつつ、何を論点として扱うのかを提示する必要がありますので、ただ単に課題文を要約するだけではなく、問題を析出する見せ方が必要です。今回は、バリアフリー・コンフリクトの問題をきちんとして提示し、自分の見解として対処法が3つある点を示した文章の運びはよかったと思います。

 

ビフォーアフターにおける改善点

字数にもよりますが、800字の字数を超える課題文型の小論文では、課題文の内容から何が問題なのかをきちんと示し、論点を提示する必要があります。この手続きを踏んだうえで、初めて自分の意見を主張することができます。最初の答案では、課題文の内容が踏まえられていないため、何が論点なのかが明らかにされていません。ほとんど自由作文のようになってしまっています。もっと悪く言えば、テキトーすぎ(笑)。さらに、論じるべきテーマとは完全にズレた主張が行われてしまっていました。冒頭から得点できない答案になってしまっています。

しかし、6回目の指導時には、この点はすでに改善され、課題文のテーマをきちんと読み取ったこととして、課題文の挙げる問題点に向きあった形の論点が提示され、そのうえで自分の考える対処法が述べられようとしています。非常にクリアな文章の運びとなっています。さすがに模範解答のレベルに達するには、もう少し訓練が必要なところですが、この生徒がなんとか模範解答レベルに追いつこうとする努力の成果がうかがえると思います。

 

以上のように潜龍舎の指導を受ける前と受けた後では、まったく解答の質が異なってきます。また、指導において、生徒が何をするべきなのかを具体的に説明、要求します。したがって、生徒も自分の小論文をどのように書いていくべきか理解し、書く力を身につけていきます。

 

 

こんな人はすぐに潜龍舎へ

・志望校の入試科目に小論文があるのに、

まだ小論文対策を始めていない。

・学校の先生に見てもらっているけれど、

まともな添削指導になっていない気がする…。

・予備校の小論文コースを受講しているけれど、

小論文がまともに書ける気がしない…。

・過去問を見たら、どうしたらいいのか分からなくなった

(何を書けばいいのかわからない)…。

・配点を見て、他でカバーするからいいや、と思っている…。

・苦手科目があるから、小論文で差をつけてカバーしたい…。

・過去問対策として答案を専門家に見てもらいたい。

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