2016年度 東京学芸大学 A類学校教育選修 小論文 模範解答
2016年度 東京学芸大学 A類学校教育選修 小論文 模範解答
問Ⅰ
文章Aでは、「集団生活でのルールを覚えるところに学習の基本がある。」と述べられ、幼児期からの移行において、子どもたちが学校の規律や学校生活の基本を身につけていくことの重要性が主張されている。他方で文章Bでは、小学校六年生の教員に対して、「友達同士で問題を解決する力を育ててほしい。」ということや「ユーモアのセンスをみがいてほしい。」など、子どもたちが自ら問題や困難に臨む必要性が示唆されている。したがって、幼保小の連携と小中の連携との課題の違いとして、子どもたちが集団生活を営むのに必要な力を身に付けるという課題と、一方で子どもたちが自立的に問題や困難に臨むのに必要な力を備えるという課題との違いが重要だと言える。というのも、集団生活のルールを学ぶことは全面的に教員による指導に依拠するのに対し、子どもたちが自ら問題や困難に臨むことには、子ども自身の自立が必要となるからだ。(387字)
問Ⅱ
幼保小の連携と小中の連携とには課題の違いが存在する。したがって、幼児期―小学校―中学校のスムーズな連携のためには、幼児期から小学校、小学校から中学校へと児童生徒が円滑に移行できる体制や準備を整えることが小学校の教師にとって重要だと考える。なぜなら、小学校生活は幼児期と中学校生活のあいだにあり、かつ6年間と期間が最も長いため、幼保小の連携と小中の連携との課題のいずれにも対応する必要があるからだ。
たとえば、幼児期から小学校への移行をスムーズに図るために、入学者を受け入れる幼稚園や保育所などと連携し、幼児たちに小学校がどのような場所なのかを事前に紹介したり、幼稚園教諭などとも共同し、子どもたちが小学校生活を開始するうえで必要とされる力を段階的に身につける指導を行ってもらうことなどが可能だと考える。
また、生徒たちが小学校―中学校への移行を円滑に行うためにも、小学校高学年時には子どもたちの自立を促すために、担任として必要最低限の指示や指導を行い、学校生活において生徒が自ら考え行動することができるように仕向けていく必要があると考える。なぜなら、担任が生徒に手取り足取り指示をしていては、生徒が担任に依存することを助長し、「中一ギャップ」を拡大することになると考えるからだ。以上より、小学校の教師が、子どもたちの成長の節目に合わせた対策や指導を行っていくことが重要だと考える。(588字)
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