2019年度 東京学芸大学 A類学校教育選修 小論文 模範解答
2019年度 東京学芸大学 A類学校教育選修 小論文 模範解答
問Ⅰ
文章Aにおいて仕事とは、その行為によって、お金をとることができるかどうかに原点があると述べられる。つまり、仕事はお金を得るに足る働きをできるかが問われるものである。したがって、お金を支払いたいと思わせる域まで他者を歓ばすか、他者に役に立つことが、仕事が成立するために必要だと主張されている。他方で文章Bは、仕事とは、生活の糧を得るための手段であることに加えて、生きる上での充実感を与えてくれるものであると述べる。また、自分が好きな分野の仕事によって、生活できることが望ましいと主張される。さらに、自分の好きな仕事や仕事への適正を考えるためには、好奇心が必要とされ、仕事によって、私たちは現実の世界に接していると述べられている。以上より、文章Aの著者は、仕事とはお金を稼ぐことであると考えている一方で、文章Bの著者は、仕事とは私たちの好奇心に基づいた現実的な世界との接点であると考えている。(394字)
問Ⅱ
私は文章Bの著者が小学校高学年対象の講演に適任だと考える。その理由は大きく三つある。第一に、仕事とは単にお金を稼ぐための手段ではなく、文章Bで述べられるように、生きる上で必要な充実感を得るという人間の営みの中でも中心的な活動であると考えるからだ。したがって、子どもたちが講演を通して、仕事によって得られる充実感によって幸福になることを学んでもらえると考える。
第二に、文章Bの著者であれば子どもたちに対して、子どもたちが望む職業や仕事に就くことの重要性を訴えてくれると考えるからだ。昨今、子どもたちの置かれている家庭環境や経済的状況によって、自分の将来の夢を描くことのできない子どもたちも増えている。こうした子どもたちに対して、将来の仕事に対する希望や夢を持たせることによって、学校における学びの意義も深まり、教育上の効果も高いと考える。
第三に、文章Bの著者が、自分の好きな仕事を考えていく際の、自分の好みや適性を考えるために好奇心を持つことの重要性や、仕事が現実の世界との接点となることを主張している点において、講演においても子どもたちの世界観やものの見方を広げてくれることが期待できるからだ。したがって、子どもたちが文章Bの著者から、仕事を通じて自分なりの世界の見方を養うことができることを学ぶ点に、文章Bの著者による講演の意義があると考える。(573字)
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