2020年度 東京学芸大学 A類学校教育選修 小論文 模範解答
2020年度 東京学芸大学 A類学校教育選修 小論文 模範解答
問Ⅰ
著者によれば、現行の学習指導においては、子どもたちが、今やっていることが何のためなのか、なぜそれをやるのか、そうすることでその後どうなるのかがわからない授業が一般的である。また、こうした授業が一般的であることによって、子どもたちは本来持っている意欲も力も発現することができない状況に置かれていることが指摘されている。さらに、子どもたちは小学校から中学校、高等学校へと進学するにつれて、自ら「ひと」、「もの」、「こと」にかかわっていく姿を出しにくい状況に置かれている。その結果、教師の指示に従うしかない子どもたちを教師が見続けていることによって、教師の受動的学習観がより強固なものになってしまっている。それゆえ、教師たちが傍線部①のように発言するのは、教師のほうが受動的学習観から能動的学習観への転換ができていないためであると著者が考えていると言える。(375字)
問Ⅱ
著者によれば能動的学習者とは、自ら主体的に追求し、学ぶ意欲や自分で自分を創っていく力を備えた者である。私がこれまでに能動的学習者であったと感じる場面は、独自に物理のレポートを作成したことが挙げられる。
あるとき、私は物理の試験成績は悪いものの、物理学的な話には非常に興味がある旨を物理の先生にお話した。すると、先生は物理学者の伝記や相対性理論にまつわるノンフィクションなどの本をいくつか紹介してくださった。それらの本が非常に面白かったため、他の本も探し出し、私は物理学者たちの探求の苦悩や困難を含め、理論が発展していく様子や彼らの発見について、自分なりにレポートとしてまとめていった。レポートを物理の先生に提出したところ、先生は毎回私のレポートをきちんと読んでくださった。さらに、物理学における概念について私に質問をいくつかし、よく理解していると評価してくれた。試験の成績は相変わらず悪かったものの、私の成績表の物理の評価は最高であった。
高校までの学習の中で、このレポート作成ほど私が自らのめりこむように取り組み、学ぶ意欲をかきたてられた機会はなかったと思う。それゆえ、あの物理のレポートを作成しているときの自分が、能動的学習者であったと言える。また、先生が私の関心に理解を示し、本を紹介してくれたり、取り組みをきちんと評価してくれた点も、私が自ら学習を進めるために不可欠であったと考える。
(594字)
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