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総合型選抜・学校推薦型選抜受験のための心得

総合型選抜・学校推薦型選抜受験のための心得

―総合型選抜・学校推薦型選抜について、全国の高校生の皆様、保護者様に知っておいてもらいたいこと―

2023年8⽉30⽇初版

2023年11⽉20⽇第4版

⽂責:佐藤陽祐(潜龍舎代表)

総合型選抜・学校推薦型選抜をこれから受験しようと考えている高校1,2年生ならびにその保護者の皆様にぜひとも読んでいただきたいです。総合型選抜・学校推薦型選抜対策指導を専門に10年の蓄積を持って書かれた総字数45000字越えの潜龍舎渾身の記事です。総合型選抜・学校推薦型選抜について、これまでの指導実績という事実に基づいた生々しいお話もあります。総合型選抜・学校推薦型選抜の実態について正しくご理解いただくために書かれた、合否に直結する情報、知識、対策のあり方についてすべてを書き尽くしております。ぜひ、お買い求めの上、ご一読いただければ幸いです。

潜龍舎 代表 佐藤陽祐

 

「受けたい」ではなく「受けるべき」という時代へ

総合型選抜・学校推薦型選抜は学力にとどまらない多面的な人物評価によって選考が行われる試験であり、活動実績の有無や受験者の「志」が問われます。したがって、すべての人が総合型選抜・学校推薦型選抜を受験できるわけではないと、これまでに弊塾では述べてきました。しかし、今後は認識を改める必要があるといえます。「受けたい」とか「受けられない」の次元を超えて、大学進学を目指すならば「受けるべき」試験だととらえるべきだと思います。というのも、大学入試における総合型選抜・学校推薦型選抜利用者の割合が高まっているからです。私大については毎年その割合の増加傾向が確認されていますが、今や入学者数の57.4%(半数以上!)が総合型選抜・学校推薦型選抜の利用者です。

国公立大も総合型選抜・学校推薦型選抜利用の割合がますます増えてきています。以上のような変化を鑑みれば、大学進学を志すこれからの高校生は総合型選抜・学校推薦型選抜を「受けたい」/「受けない」ではなく、「受けるべき」であり、総合型選抜・学校推薦型選抜を受験する準備を行なっていくべきだと考えるのが正しい判断になると思います。しかし、総合型選抜・学校推薦型選抜受験のためには、一般選抜とは異なった対策が必要となります。

 

Contents

入試要項を見てください

高校1,2年生のみなさん、そしてその保護者の皆様、総合型選抜・学校推薦型選抜の入試要項を見てください。私大は例年遅くとも夏休み前、国公立大も9月末までには当該年度の総合型選抜・学校推薦型選抜の入試要項が公表されます。まだよくわからなくても、将来的にこういう大学に行きたいなぁと漠然と考えている大学でもよいので、今すぐに総合型選抜・学校推薦型選抜の入試要項を見てください。お願いします!

総合型選抜・学校推薦型選抜は各大学によって少しずつ課題や提出書類などについて差異があります。また、何より総合型選抜・学校推薦型選抜は「活動実績」がないと受けられる試験ではありません。どこの大学であれ、入試要項を読めばわかります。

⑤自己推薦書〔全国枠・地域枠〕・自己推薦書補足資料〔全国枠・地域枠〕
様式E-1~2(計2枚)〔全国枠・地域枠〕に、「教職を目指すあなたの特筆すべき資質や適性」に留意し、分かりやすく、かつ、具体的に志願者本人が考えたことを手書きで800字以内で記入してください。また、これまでの生活の中で以下に挙げる経験がある場合には様式F〔全国枠・地域枠〕に〔記入例〕を参考に内容を記述し、加えてそれを示す資料をA4判の用紙にコピーし、資料番号を書き込んだ上で添付してください。

・高等学校や教育委員会等が行う教員養成のためのコースやセミナー等への参加、学校教育に関わる探究活動等
・教員養成系大学・学部が関わるイベント(高大連携に関連する公開講座等)への参加
・小学校の児童又は中学校の生徒とふれあう継続的な体験活動(ボランティア等)

令和4年度 横浜国立大学 教育学部 学校推薦型選抜 学生募集要項より

 

上記のように、たとえば横浜国立大学では「高等学校や教育委員会等が行う教員養成のためのコースやセミナー等への参加、学校教育に関わる探究活動等」、「教員養成系大学・学部が関わるイベント(高大連携に関連する公開講座等)への参加」、「小学校の児童又は中学校の生徒とふれあう継続的な体験活動(ボランティア等)」などを活動実績として報告することを要求しています。つまり、これらの活動を行っている受験生を評価するということを明示しているといえます。(逆に言えば、これらの活動がない受験生はこの出願書類を作成すらできず、横浜国立大学の学校推薦型選抜を受験できないということです。)通例、総合型選抜・学校推薦型選抜では、各大学が出願書類等においてこうした活動実績の有無を問います。大学から望まれるような活動を行って実績を積み上げていくためには、高校3年生になってからの対策や準備ではスタートが遅いといえます。(活動実績についてはまた後で詳しく延べます。)

 

高3からの対策では埋めがたい差

旧AO入試時代から総合型選抜・学校推薦型選抜へと名前が変わっても、受験生やその保護者様はいまだに総合型選抜・学校推薦型選抜に対する認識や理解が不足していると思います。その表れが高校3年生(最悪だと高3の夏休み以降)になってから、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策を行いたいというご相談を受ける人々が多いからです。「志」もなく、活動実績も積みあがっていないのに、この試験に臨もうとするのは無謀です。活動実績の積み上げるためには、高3になってから総合型選抜・学校推薦型選抜の対策を始めるのでは、遅いのです。高校1,2年生からコツコツと活動の実績を積み上げ、自らの志を見定め、言語化する力を備えようと訓練してきた受験生に、高3から対策を始めた受験生が勝つことはありません。そこには大きな埋めがたい差というものがあります。

また、これから確認するように、「志」がなければ、総合型選抜・学校推薦型選抜を受験することはできません。「志」がなければ「志」望理由書、自己推薦書等、出願書類すら作成できなくなるからです。さらに、将来の「志」なんて簡単に見つかるものではありません。したがって、自身の志を見定めるためにも、早期から(高校1,2年生から!)対策を始めましょうね、と繰り返し申し上げている次第です(本当になかなかわかっていただけません…)。

 

そもそも、自分の将来について考えていますか

端的に言えば、総合型選抜・学校推薦型選抜は「将来やりたいことが決まっている人」が合格する試験です。高校1,2年生のみなさん、将来のことを何も考えずにひたすら部活動ばかりしていませんか(3年間部活動にオールインして活動実績も「志」も何もなく、慌てて「自分探し」を始める受験生、毎年たくさんいます…。それではそもそも総合型選抜・学校推薦型選抜は受験できません)。また、将来の目標もなく、無目的に勉強をするのは難しいと思います。高校での学びや活動のモチベーションを高めるためにも、少しでもよいので「自分の将来のこと」について考えてみてください。そうしたことを考えるのが面倒な人、今は考えられないという人、大学に入ってから将来のことを考えようという人は、大学受験に際しては一般受験をすればよいです。とはいえ、高校受験の延長で大学入試も一般入試のみを受けるのがスタンダードだと「いまだに」思っている方々もそろそろ考えを改める必要があると思います。総合型選抜・学校推薦型選抜も利用することによる受験機会の増加は、志望校に合格する確度を上げることになるからです。最終的に総合型選抜・学校推薦型選抜を受験しないという決断をするにしても、少しでもまじめに大学進学を考えているならば、早期から総合型選抜・学校推薦型選抜の利用についても視野に入れることが合理的な判断だと思います。

 

最初に「志」のお話

―総合型選抜・学校推薦型選抜を受験しようと考える高校生とその保護者の皆様へ

(志なき者に、この門は開かれない。まずは、黙ってこの心得を読んでほしい。)

総合型選抜・学校推薦型選抜は「志」を評価される試験です

総合型選抜・学校推薦型選抜は、受験生の学力を含む多面的な人物評価によって選考を行う試験です。総合型選抜・学校推薦型選抜を受験するにあたってもっとも重要なことは、「志」があるかどうかということです。ここで言う「志」とは、少なくとも大学で学んだ後、あなたが三十代になるぐらいまでのあなたの人生の展望や、社会にどのように貢献していくかという理念などを含んだ意味での、あなたが「取り組みたいこと」「やっていきたいこと」です。「志」がないと、総合型選抜・学校推薦型選抜では合格しません。なぜなら、重要な評価対象である「志望理由書」や「自己推薦書」が書けないからです。

「将来なりたいもの」を言うだけなら小学生でもできる

総合型選抜・学校推薦型選抜において志望理由書を作成してもらうと、みなさん立派な将来の目標をお持ちであることはわかります。しかし、なぜその職業や学問を行いたいのかを問うと、発想が小学生レベルであることが露呈するのです。そもそもの動機がテレビで見たからとか、最近だとYoutubeで見ておもしろそうだったからとか…。最初は、「僕は(私は)将来○○になりたいです!」という内容しか書いていない(つまり、小学生レベル)志望理由書ばかりなのです。取り組むべき問題や課題との接点がない、あるいは見つかっていないのです。

自分事の問題になっていない例①―「国際支援をしたいです!」

社会の中には様々な問題や課題が山積しています。志望理由書にそれらの問題に取り組みたい!と書いてくる人がたくさんいます。何かしらの志があることは認めます。しかし、どんなに熱を込めて書いても、それだけでは意味がありません。なぜなら、それらの問題や課題があなた自身の問題、つまり自分事の問題になっていないからです。 たとえば、内戦後の貧国や発展途上国に対する国際支援を行いたいと書いてくる志望理由書を本当にたくさん見ます。また、そのきっかけが、テレビでドキュメンタリーを見たからというものです。そうでしょうね。アフリカなどの発展途上国に実際に赴いて実情を見たという高校生は、私の指導経験の範囲では聞いたことがありません。 国際支援を行いたい理由が、ドキュメンタリーで見て、かわいそうだと思ったからというのは、非常に動機として薄く、貧弱です。というのも、貧しい国々の人々の窮状に胸を痛めるのは、私もそうだからです。しかし、冷たい言い方に聞こえるかもしれませんが、それは私が直接解決するべき問題ではない(私自身の抱える切実な問題ではないという意味でも)し、あるいは私には解決できない問題です。人にはそれぞれできることや自分の行うことができる範囲において役割があります。当のあなたが貧国などに対する国際支援を行わなければならないのはなぜでしょうか。貧国の子どもたちがかわいそうだから、というのは誰もが持つ一時の気持ちでしかありません。したがって、「あなただけ」の動機になりえないのです。まずは、貧国の窮状とあなたの接点を探る必要があります。あるいは、あなたが国際貢献に取り組まなければならない必然的理由を考える必要があります。自分事の問題になる接点を探す必要があるのです。

自分事の問題になっていない例②―「貧困問題に取り組みたい!」

昨今は日本においても貧困の問題が取りざたされており、社会問題となっています。その結果、貧困問題に取り組みたいと書いてある志望理由書、これもよく見ます。しかし、これもあなた事の問題になっていない。貧困問題に取り組みたいという志を否定しているのではなく、貧困問題がそもそもあなた自身の問題になっていないのです。貧困問題に取り組みたいと書いてくる生徒には、必ずこう聞きます。「お金がなくて、3日間何も食べられなかった経験をしたことはある?あるいは7日間、毎日一日の食事が一回だけだったときはある?」。残念ながら、あなたは本当に貧乏を、貧困を経験したことのある高校生ではない。貧困をそもそも経験したことのないあなたのような人間がどうして、さらにはどのようにして貧困者の気持ちや生活を慮り、支援をできるというのでしょうか、と面接で問われてしまいます。貧困問題はあなた自身の、あなた事の問題になっていないのです。

「志」を否定しているのではない

佐藤はみなさんの「志」を否定しているのでは決してありません。そうではなく、みなさんが取り組みたい、やってみたいと思うことに対するご自身との関係性の浅薄さ、問題に対する本気度の低さ、体験等の実績がないことを批判しているのです。そして、批判は「攻撃」ではまったくありません。昨今は、批判されることを「攻撃された」と受け止める認知の歪んだ生徒さんも幾分見られるようになりました。しかし、批判に耐えてさらなる思考を行うからこそ、あなたの思考はその内的強度を増します。したがって、弊塾の生徒にはそうした批判を虚心に受け止めていただき、自己の将来に向き合っていただけるよう指導しています。その結果、唯一無二の志望理由書や自己推薦書によって合格者を出すことに成功していると言えます。 とはいえ、批判を受け止められず、「空っぽ」で「空虚な」内容を書き連ねる生徒もこれまでにいました。自分に向き合うことができないと、「志」を他者に語ることはできません。ただ大学に進学したいがために、「志」をでっちあげているようでは、意味がないのです。結果的に、「志」の醸成や、確認ができない、当人の思考や発想そのものが幼く、未熟な場合には、弊塾としても指導をお断りするパターンが昨年度も何件かありました。

「志」を持つために

再度繰り返します。総合型選抜・学校推薦型選抜には「志」が必要です。昨年、弊塾に入塾してくれた生徒たちは、ごくごく普通の生徒ばかりでした。佐藤の批判に耐えながら自分の「志」を先鋭化して表現することを通じて、自分の将来への考え方を錬磨することによって、どの生徒も非常にユニークな志望理由書を書くに至り、合格を勝ち得ました。全国大会に出場しなくても、学級委員や、生徒会などで活躍していなくとも、総合型選抜・学校推薦型選抜には合格できますが、「志」が必要です。 「志」を持つためには、まずは自分がなにをして生きていきたい人間なのかを自分に問うてください。すべてはここからです。そして、なぜそうしたいのか、したいことと自分との接点はどこにあるのか、何が自分をそのように駆り立てるのか、正確に言葉にしていく必要があります。あなたがどれほど強烈に胸に抱いていても、厳密に言語化されない「志」は、他者に語ることができる「志」とは言えません。潜龍舎では「志」のある生徒の皆様のご来塾を心よりお待ち申し上げております。

 

しつこく、「志」のお話。志なき者は去れ。

お問い合わせをいただく高校生、保護者のみなさま、総合型選抜・学校推薦型選抜についてご理解いただけていないことがまだまだあるんだなぁと思い知らされております。したがって、私も何度でも、何度でも申し上げます。総合型選抜・学校推薦型選抜は、「志」がないと合格できません。「志」がなければ、志望理由書・自己推薦書という試験においても一等重要な評価対象となる書類を作成できないからです。

やりたいことが見つからない

先日も、あるオープンチャットを覗いていましたら、某総合型選抜対策大手塾に通っていると自称する高校生が、こんな相談をもちかけていました。

 

こんばんは。現在高校2年生です。○○○塾に入ったのですが、なかなか自分のやりたい事が見出せなくて…。まったく何も見つからない状態です…。塾の先生は焦らずとも良いと言って下さるのですが、自分の中でかなり焦りがありまして。もう総合型選抜は諦めて、塾を変えて一般選抜一筋で行った方が良いのでしょうか?何かやりたい事を見つけるのってコツありますか?皆さんはどのようにして見つけたのでしょうか?教えて下さい。

悩みとしてはわかります。しかし、自分が将来やりたいこと、その「志」は自分自身との対話を繰り返したり、様々なことに取り組んだり挑戦したりしていくなかだったり、本や映画を通して衝撃を受けたりするなかで、少しずつ自分のなかで「こういうことがしたいんじゃないか」という段階から「これがしたい!これをやりたい!」というように醸成されていくものです。したがって、「やりたいことを見つけるコツ」なんてありません。自分が何をして生きていきたいのか、自分は何のためにこの世に生を受けたのか、自分が心から望んでいることはなんなのか、こうした哲学的ともいえる問いに真剣に向き合い、自分という人間について考えていかない限り、「志」はできません。自分に向き合うためには、世界や社会、世の中を知る必要もあります。何も知らなければ、「やりたいこと」なんて出てきませんし、「志」は醸成されないからです。 かくいう佐藤は、中学2年生のときにある本を読み、バットで頭を殴られたような衝撃を受けたせいで、その後の生き方が決まってしまいました。こうした「出会い」も「志」のきっかけになります。

あなたのことはあなたが一番知っていなければならない

何がしたいのかわからないのに、おすすめの大学や学部を問われても我々には答えようがないです。何をしたいのか、それは、あなたが決めなければならないことです。「僕(私)は何になったら、何をしたらよいのでしょうか」と問われても、そんなことは我々にはわかりませんし、教えようもありません。あるいは「これをしなさい」と言ったら、言われたままに君はするんだろうか。そんな主体性のない状態では、総合型選抜・学校推薦型選抜には合格しません。

志なき者は去れ

厳しいことを申し上げますが、志なき者は去れ、というのが総合型選抜・学校推薦型選抜の一番大変な部分なのです。高校一、二年生であれば、自分の将来やキャリア、何をして生きていきたいのかについて、少しずつ自分に向き合ったり、大人といっしょに活動することを通じて(単にボランティアをしろと言っているのではない)、世の中を知ることから自分のあり方を見定めていくことが重要だといえます。かつて言われたような「自分探し」を早期にすることを求められるのが、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策です。自分がしたいことがまだ見えてこない場合には、ある程度方向性だけは決めて、一般受験をすればよいのです。試験のために、慌てて自分の将来を決める必要はありません。

総合型選抜・学校推薦型選抜を利用しようと考えている高校一、二年生へ

部活動をしているだけでは、「志」は醸成されません。月並みですが、様々なことに挑戦したり、取り組んだり、読書や映画などもとおして、自分の「好き」や興味関心を高めていきましょう。そして、自分が何をして生きていきたいのか、大人(両親、学校の先生以外にも多くの大人がいます)との対話を通して、自分の「志」を言語化し、語ってみましょう。潜龍舎でもそうした生徒のためのきっかけとなる講座を開設しています。ぜひ、ご利用いただければと存じます。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜においてもっとも大切なこと

(これほどしつこく「志」について説明する理由をそろそろわかっていただきたい…。)   先日、ある生徒様、親御様とご面談をさせていただきました。一通り、弊塾の指導方針や指導内容についてお話をさせていただき、大事なことなのでお聞きしました。

 

 「○○大学の××学科に入ってどんなことを学んで、将来、どのようなことをしたいですか?」

 生徒様「わかりません…」

 

改めまして、「志なき者は去れ」

総合型選抜・学校推薦型選抜においてもっとも重要なことは、「志」を有しているかどうかです。「志」というのは、自分の価値観や信念や信条、つまり切実な問題意識や意志に基づいて、将来何を成し遂げたいと思っているのか、世のため人のためにどのようなことをしたいと思っているのか、そのために大学で何を学んだり、研究する必要があるのか、ということです。「志」がないと、総合型選抜・学校推薦型選抜において重要な評価対象である、志望理由書や自己推薦書などが書けず、そもそも出願すらできなくなります。したがって、この試験においては、「志なき者は去れ」なのです!

高校生の皆様、そしてその親御様

有り体に言ってしまえば、皆様、総合型選抜・学校推薦型選抜についてご理解が不足しているように思われます。ただ単に書類やレポートを出したり、小論文を対策すれば受かるという試験ではないのです。「志」がなければ、合格することはありません。試験制度としてあるからといって、誰もが利用できる試験でもありません。各種の資格や評定平均値、活動実績の積み上げも必要です。

志を醸成せよ

自分が将来何をして生きていきたい人間なのか、そのために大学では何を学び、何を研究する必要があるのかについて、よく考えてみてください。また、ただ考えるだけではなく、さまざまな本を読んでみたり、多様な体験をしたりして、自分が考えたり、やっていて、テンションが爆上がりするものを見つけてください。あるいは、「絶対にこれはおかしいんじゃないか」、「なぜ、こういうことになっているのだろう」という自分の価値観に照らしたときに、問題だといえる事柄を探してみてください。単にSDGs的な問題に興味がありますでは、全然ダメですよ。また、何も考えずに、部活動だけをしていては「志」は醸成されません。志にもとづいた将来の目標から逆算したときに、今のあなたに何ができるのかを考えて行動してもらいたいです(ただ「ボランティアをしています」では意味がないのです)。何をしていいのかわからないという人も、まずは弊塾までご相談いただければと思います。できることはあなたが思っている以上にたくさんあります。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜を受けるための前提条件

(この前提条件を満たしていない人は、総合型選抜・学校推薦型選抜に臨もうとすることがそもそも難しいと思います。)   評定平均値4.5、英検準1級も持ってるし、生徒会もやってきたから、総合型選抜・学校推薦型選抜を受けたら合格するだろうか。各種コンクール、大会での優勝実績があるから総合型選抜・学校推薦型選抜を受けたら合格するだろうか。これまでも再三述べてきたとおり、こうした考え方や質問をする人は、総合型選抜・学校推薦型選抜という試験の本質をご理解いただけていないと思います。 潜龍舎が重視している、総合型選抜・学校推薦型選抜を「受けるため」の前提条件を述べてみたいと思います。

総合型選抜・学校推薦型選抜を受けるための前提条件

・将来実現したいと考える明確な「志」があること。
・「志」を果たすために、大学で学ぶ必然性や動機、目的があり、研究テーマを有していること。
・将来の「志」から逆算したときに、高校生としてできることを自ら探し、チャレンジしてきたという活動の実績(=たんに何かで賞を取ったり、優勝をしたということだけではありません)を持っていること
・自らの「志」や学ぶ目的について言葉を尽くして説明しうる十分な表現の力を備えていること。
・事前のレポート作成や小論文試験に臨むために必要な読解や論述の力を備えていること、あるいはそうした力を備えるための努力ができる人。
・大学が要求する各種外国語資格試験等の成績を有していること。
・大学の要求する評定平均値を得ていること。

 

以上の前提条件を備えている人が、総合型選抜・学校推薦型選抜を受けることができ、さらには合格することができる人です。逆にいえば、上記の前提条件を満たしていない人は、総合型選抜・学校推薦型選抜に臨もうとすることがそもそも難しいと思います。

高校1,2年生の皆様へ

上記のような前提条件を満たし、総合型選抜・学校推薦型選抜に臨むために、今からできること、あるいは行っておかなくてはならないことが実はいろいろあります。まずは、潜龍舎のセミナーにご参加いただければと存じます。

 

大学でなぜ、何を学ばなくてはならないのか

(大学で、何を、なぜ、学ぶ必要があるのか、説明できますか?)   総合型選抜・学校推薦型選抜に対する「志」の重要性については、すでに述べてきました。さらに問うべきは、あなたがなぜ、何を大学で学ばなくてはならないかということです。学びの目的が明確でなければ、総合型選抜・学校推薦型選抜で合格することはありません。

学びたいことと志望学科のズレ

あなたは、自分の志望する学部学科で何を学ぶことができるのか、きちんと把握していますか。将来、国際貢献したいといっているのに文学部(英文学科)志望などとのたまう生徒がいます(シェイクスピアを研究する学部で、国際貢献は無理です)。法学部志望なのに、将来は、養蜂家を目指したい!?などというとんでもない生徒もかつていました。英文学科、国際関係学科、総合グローバル学科、コミュニケーション学科など語学(特に英語)という点において隣接するものの、学問分野としてまったく異なる学部学科があるため、志望学部についての理解を深めていく必要があります。なんとなくのイメージで、学部や学科を選んでいるうちは全然ダメです。

学部や学問分野について知りましょう

大学で何を学ぶ必要があるのかを明確にするためにも、大学で何を学ぶことができるのかをしっかりリサーチしましょう。法学、経済学、社会学、心理学、文学などの各種の分野がどのような研究を行い、どのような学問領域なのかを調べましょう。各学部学科に対する自分のイメージや印象だけで志望理由書や自己推薦書を書いてしまい、まったく的外れな内容になっている人が多いです。潜龍舎では、ミネルヴァ書房の「やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ」必ずを読ませています。また、大学のシラバスなども公開されているものがありますから、チェックしてみましょう。

なぜ、学ぶ必要があるのかをきちんと言語化しましょう

当該の学問分野をなぜ自分が学ぶ必要があるのか、きちんと説明できますか。自分の将来や志から逆算したときに、なぜその学問分野を学び、何を研究する必要があるのかを明確に他者に説明できるようになる必要があります。大学は教育研究機関であり、教育と研究を両輪としている組織です。4年次には学生は卒業研究や卒業論文の作成を行う必要があります。4年をかけて最終的に何を研究し、何を明らかにしたいのかについて、総合型選抜・学校推薦型選抜では試験の段階で問われます。したがって、志望理由書や自己推薦書等において、どの先生のもとで何を研究するつもりなのかまで、説明する必要があるのです。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜とは、大学が欲しい学生を選び抜く試験です

(総合型選抜・学校推薦型選抜の本質を理解していますか。)

一般入試では「誰でも」大学に入ってきてしまう…

入試を行う大学側の観点から考えてみましょう。一般入試においては規定の試験科目について、一定の点数を獲得した者を合格者として大学はいわば、「合格させなくてはならない」ルールです。つまり、その受験生がどのような人物であるかは不明であり、大学で学ぶ意志や目的などが仮にその受験生にはなくとも、点数を獲得した合格者として大学は当該受験生を入学させなくてはならないわけです。大学に入ったものの、特段学ぶ目的や意欲もあるわけでなく、将来の「志」がない者も大学には試験の点数だけで入ってきてしまいます。学ぶ意欲や目的がない者を大学教員は教育や指導したくはありませんし、できません。

総合型選抜・学校推薦型選抜とは、大学が欲しい学生を選ぶ試験である

そこで、大学側にとって望ましい学生を獲得するために、総合型選抜・学校推薦型選抜は行われているともいえます。つまり、総合型選抜・学校推薦型選抜とは、「大学が欲しい学生」を選ぶ試験なのです。みなさん、このことがよくわかっていらっしゃらないと思います。書類を出して、小論文を書いて、面接を受ければ合格する試験ではありません。あなたが大学に選ばれるべき学生としてふさわしい人物であるかどうかが問題なのです。

こういう輝かしい活動実績を持っています(ドヤァ!)が受かりますか!?

さて、こういう相談を毎年、本当によくうかがいます。

 

英検準1級、漢検2級、評定平均値4.8、生徒会会長、〇〇系コンテストの入賞歴等があります。こうした実績があれば、○○大学の総合型選抜に合格しますか。    部活でインターハイに出場しました。評定平均値は4.2ぐらいです。これで○○大学の自己推薦入試に合格しますか。

 

これまでにも述べてきたように、こうした質問をする人たちは、総合型選抜・学校推薦型選抜の本質が正しく理解できていないと思います。再度繰り返しますが、「総合型選抜・学校推薦型選抜とは、大学側が欲しい学生を選ぶ試験」です。「審査を行う大学教員が欲しい学生」とは、学びの目的、動機、意志、研究テーマ、志が明確であり、将来の志にもとづいて大学入学後も4年間しっかりと学業に励み、学業以外にも自分の将来に向けた諸活動を自ら積極的に行い、大学から与えられるものを受け取るだけの受動的な人間ではなく、大学という高度な教育研究機関を十分に利活用できる存在です。 「輝かしい」各種の成果や実績は、大学教員からすれば、これまでのあなたについての評価対象となる「ほんの一面」にしかすぎません。それらの活動から何を経験し、何を学び、その活動の過程はあなたにとってどのような意義を持つのか、その活動経験は大学における学びにどのように結びつくのかを明らかにし、説明しなければ、各種の実績をただ持っています程度のお話では、総合型選抜・学校推薦型選抜においては意味がないのです。部活動をどれだけがんばって、どれだけ素晴らしい実績を持っていたとしても、大学教員はそこには興味がない。彼らの関心は、合格させた学生が大学という教育研究機関で学び、研究してくれるかどうかにあり、その点を入試において受験生に対して確認しようとするわけです。

総合型選抜・学校推薦型選抜において、どのような受験生が評価されるのか

・大学において、学びや研究を「行わなければならない」目的、動機、必然性、問題意識、当事者性を有する人

・単なる興味や夢ではなく、明確な「志」を持つ人 ・具体的な研究テーマを有する人

・自分の将来のために、高校時代から将来に関わる活動をしている人

・大学での学びを生かしうる明確かつ具体的な将来的構想を持つ人

・意識高い「系」ではなく、各種の問題への意識が本質的に高い人

上記は全国の大学のアドミッション・ポリシーを読みつくしてきた潜龍舎が抽出した大学が欲しい受験生像の一部です。上記をご覧になれば明らかなように、「〇〇という資格や実績を持っている人」が挙げられているわけではないのです。資格や実績はそれ自体で価値を有するわけではなく、あなたという人物にとってどのような意義を持っているのかを説明しなくてはなりません。

学部・学科、大学教員とのマッチングが最重要!

大学教員が彼らの学部・学科で学ぶにふさわしいと考える受験生を選抜し、獲得しようとする試験が総合型選抜・学校推薦型選抜です。この点をよく考えましょう。こういう資格、活動実績、受賞歴があるから合格させてくださいという話では、彼らは納得しないことは明らかです。大学教員が総合型選抜・学校推薦型選抜においてもっとも見ようとする点は、受験生が大学で学ぶにふさわしい「志」があるか否かです。あなたの「志」が問われる試験において、「英検準1級、漢検2級、評定平均値4.8、生徒会会長、〇〇系コンテストの入賞歴等があります!」とただ叫んでもまったく意味がありませんし、何かの資格や受賞歴が合格を確約するものでもありません。あなたが受験する学部・学科の大学教員たちがどのような学生を選抜しようと考えているのか、アドミッション・ポリシーも含めてよく分析し、リサーチする必要があるといえます。究極的には、大学教員とのマッチングを図ることが合格への近道になるわけです。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜に向けて高校1,2年生から何を行うべきか

(早期対策が合格の鍵です。早期から行うべき対策、できる対策があります。)   総合型選抜・学校推薦型選抜に対して「高3の夏休みから対策を始めて難関大学合格しました!」みたいな人もいるにはいますが、「あなた」が夏から対策して間に合わせられるかどうかはわかりませんし、夏から始めても合格する人は実は合格するために満たすべき条件が「たまたま」揃っていた人です。「総合型選抜・学校推薦型選抜は夏休みから対策を始めれば大丈夫!」みたいな誤った推論をしないようにしてください。むしろ、全然大丈夫じゃないです。早期対策が合格の鍵です。そこで、高校1,2年生から少しずつできることを積み上げていきましょう!

①評定平均値の確保

「評定平均値」とは一般に、高1から高3の1学期までに履修した科目の評定(5段階成績)を合計し、すべての科目数で割った数値のことです。出願にあたって、一定の評定平均値の水準を求める大学もあります。「どのくらいの評定平均値を獲得しておくのがよいですか」とよく聞かれます。まずは、志望校の入試要項などを確認し、要求される水準を確認しましょう。出願において評定平均値の規定がない場合でも調査書等の提出によって評定平均値は見られますから、できる限り高い数値を獲得できるように、定期テストできっちり点数を取りに行きましょう。

②将来の志望について考える

志がなければ総合型選抜・学校推薦型選抜に合格することはありません。この点については、すでに述べてきました。 これまでの経験から考えたときに、自分が将来、何をしたい人間なのか、そのために大学で何を学ぶ必要があるのかについて考えましょう。また、大学で何を学ぶ必要があるのか、大学で何を学ぶことができるのか、何らかの職業に就くためにはどのような道筋や手段があるのか等についてリサーチを行っていきましょう。

③活動実績を積み上げる

活動実績というとすぐに高校生の皆さんは異口同音に「ボランティア活動すればいいですか?」「生徒会とかやればいいですか?」などといいます。違います。将来の「志」から逆算したときに、今何ができるかを考えて行動していきましょう。活動実績についてはのちにまた詳しく述べます。

④外国語資格試験を受け、資格を取得する

外国語資格試験を受験し、最低でも高3までに英検2級レベルは標準装備しましょう。外国語資格試験が重要なのは、評定平均値が受験生の学力を担保する数値として確実ではないからです。たとえば、偏差値70の高校の評定平均値3.5と偏差値50の高校の評定平均値4.3を学力として比較し、判断するのは容易ではないです。したがって、客観的に学力を担保する成果として外国語資格試験のスコアなどが出願要件になってくるわけです。

⑤自分の考えを正しく「言語化する」訓練をする

総合型選抜・学校推薦型選抜においては小論文試験が課せられることや、志望理由書や自己推薦書を作成する必要があることから一定の文章作成能力が不可欠となります。したがって、月1でもよいから、高校1、2年生から小論文を書く訓練をしていくことを強くオススメします。

 

なぜ、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策を早期から始める必要があるのか。

(何も「考える」ことなく部活動ばかりしている「だけ」では、それは「趣味」でしかなく、将来への道は開けてこない。)   総合型選抜・学校推薦型選抜では、出願において志望理由書や自己推薦書を提出する必要があり、面接や小論文等、他の課題も含めた多面的な人物評価によって選抜が行われる試験です。大学で学ぶ強烈な目的や動機があるかどうか、大学での学びを卒業後にどのように生かし、何をして生きていくつもりなのかという明確なビジョンを示すことが求められ、何よりも受験生の「志」が見られるという特徴があります。したがって、総合型選抜・学校推薦型選抜においては「志」の醸成が必要になります。

社会の中で何をして生きていきたいのか、そのために大学で何を学ぶ必要があるのか

これまで、潜龍舎において合格してきた生徒たちのなかには、特別な実績等はなくとも最初から「志」が明確だった生徒もおり、こうした生徒は総合型選抜・学校推薦型選抜の対策にさほど苦労しません。もちろん試験に臨むために必要な各種の対策を十全に行い、一般入試に劣らない努力や準備が必要になるのは変わりがありません。ここで述べた「苦労しない」という言葉の意味は、「志」が醸成されていない、「志」が定まっていない生徒たちと比較した場合、相対的に対策上の「苦労が少ない」という意味です。 将来の方向性が「なんとなく定まっている(気がする)」というレベルや段階にあり、かつ「短期間」で総合型選抜・学校推薦型選抜の対策の準備を整えようとすると「非常に苦労する」ことになります。まず、受験生当人がなんとなくというレベルで決めたり、描いた将来像は未だ「志」と呼べる段階になく、本気で何に取り組み、どうやって生きていきたいのかを明確に言語化し、定めるまでは志望理由書の内容も二転三転する、あるいはそもそも志望理由書を書けないからです。したがって、「志」の萌芽が見えない、あるいは将来を見定める力がまだないと判断した生徒の指導はお断りさせていただいた場合もこれまでにあります(これは生徒にとって悪いことではありません。大学に入ってからじっくり考えてもよい事柄だからです。そのために一般入試があるわけです。試験のために焦って将来を決めることのほうが危険です)。総合型選抜・学校推薦型選抜は誰でも受けられる試験ではないことを認識していただければと思います。社会の中で何をして生きていきたいのか、そのために何を学ぶ必要があるのかについて(自分の目的に照らした具体的な研究計画書を提出させる大学もあります)、真摯に考えることが要求されるからです。

総合型選抜・学校推薦型選抜の対策が本質的に時間のかかる理由について

とはいえ、多くの生徒は「志」が「なんとなく定まっている(気がする)」というレベルや段階で潜龍舎を訪れます。これを力強い意志を有した将来の「志」として主体的に言語化し、表現していくためには、丁寧な対話を行い、将来進もうとする分野や学ぶべき学問領域についての基礎的な知識を十分に備えながら、自分がその分野で何をしたいのか、何をするべきなのか、じっくりと考える時間が必要になります。こうしたことには非常に時間がかかるのは当然です。自分の将来も見定めて、どの大学で何を学ぶかを考えることは、いくら時間をかけてもかけすぎることはないといえるからです。この点は、保護者の皆様には特によくご理解いただけるものと思います。自分の将来を志望理由書も含めた出願の締め切りに合わせて、たったの数週間で「それっぽい言葉」で書類をまとめることの貧しさや浅薄さ、危険性を考えれば、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策には本質的に時間がかかるものであるということが皆さまにご理解いただけるものと思います。

最初から問題の当事者であることや原体験は必要ではない

先の記事(最初に「志」のお話)のなかでは、各種社会問題や自身の掲げる課題に対する当事者であることや「自分事」であることを重視しています。しかし、これはあくまで受験生が限られた時間で効率的に対策を進めなければならないという制限が課せられた、いわば無茶で切迫した状況において妥当する事柄です。説得力を持つ志望理由書を書き、盤石な面接やプレゼンテーションの対策を行うためには、自分のテーマに対する切実さや当事者性を訴えることが最も効果的だからです。しかし、私自身は社会問題等への当事者性や自身の原体験は本質的にはまったく必要ないと考えています。自分が将来何をしたいのか、何に興味を持ち大学で何を学びたいのかについては、生徒たちの興味・関心に沿って考え、志望がおのずと醸成していくのが自然だと考えるからです。とはいえ、将来的に総合型選抜・学校推薦型選抜において志望理由書を書くということになるのであれば、そうでなくとも仮にも大学への進学を目指すのであれば、自分の将来や取り組みたいテーマ、興味関心を持つ事柄について高校生活の折々に真剣に探究していくことが必要だと言えます。したがって、総じて将来を考えることには時間を要するため、対策は1,2年生から始め、「細くとも長く」継続していくべきだとこれまでもセミナーやこのブログなどで何度となく訴えてきた次第ですし、そのための対策講座も潜龍舎はご用意してきたわけです。

自分自身を知る

自分が現在何に興味関心があり、将来どのように生きていきたいのか。自分自身を知る必要があります。私は、生徒や保護者の皆様とのご面談の段階で生徒たちに「今現在、あるいは今まで生きてきて一番テンションが上がったことはなんだい?」、「自分がしていて最も楽しいと思えることはなんでしょうか?」、「将来は何をしてどうやってご飯を食べていくつもりですか?」とよく尋ねます。上手く答えられない生徒たちもたくさんいます。自分の興味関心が自分自身でわかっていないからです。親御さんが「こうだよね」と答えるか、答えを促す場面もよく見かけますが、それでは全然ダメなのです。アニメでも漫画でもファッションでもゲームでもなんでもいいのです。自分の好きなことや興味のあることぐらい自分でベラベラと語ることができないと総合型選抜・学校推薦型選抜には全く向きません。自分自身のことを知ることから総合型選抜・学校推薦型選抜の対策は始まると言えます。

社会や世界を知る

自分の興味関心や問題意識が明確になってきたら、それが社会や私たちがただ一度生きるこの世界においてどのような現状にあり、自分の理想に対して、どのような活動や対策ができるのかについて徹底的に考えたり、調べたりする必要もあります。○○が好き、○○に興味があるという個人的な思いや夢の段階から、世界の中において自分の果たすべき自身の「志」を考えていく必要があるわけです。そのためには、社会や世界を知る必要があります。何も考えることなく部活動ばかりしている「だけ」では(部活動を否定しているわけではもちろんありません)、それは「趣味」でしかなく、将来への道筋は開けてこないのです。もっとも簡単、お手軽に、しかも安価に社会や世界を知る方法があります。それは本を読むことです。それゆえ、潜龍舎では1,2年生で潜龍舎の指導を受けない期間であっても、生徒の志望や関心に沿った読むべき本や見るべき映画などについて時宜を見て紹介させていただいております。本を読み、知見を深めていくことにも当然、時間がかかります。 ここまでお読みいただけた方々であれば、「なぜ、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策を早期から始める必要があるのか」という問いに対する答えを得られたと思います。ぜひ、潜龍舎において少しずつ総合型選抜・学校推薦型選抜の対策も始めていかれることを望みます。 潜龍舎の「潜龍」という言葉は易経に出てくる言葉です。これから世に出て事を為す前にじっと耐えて力をつける時期の在り方を潜龍と呼びます。いずれ大きな龍となるべき志のある人間が集う学び舎という意味が、当塾の名称に込められています。「志」ある皆様のご来塾をお待ちしております。

 

高校1,2年生ならびにその保護者の皆様へ―総合型選抜・学校推薦型選抜 対策はもう始まっている―

(総合型選抜・学校推薦型選抜を受けるにあたっての問題点…)   私立大学の定員厳格化ならびに、いまだ不透明な新しい大学入試制度の状況もあり、今後も総合型選抜・学校推薦型選抜への人気が高まってくると思います。その結果、総合型選抜・学校推薦型選抜が制度としてあるからといって、安易に利用しようとする受験生も増えています。受験生の多くが、一般入試に対しては長い時間をかけて対策する必要性を理解していると思います。しかし、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策が3年生になってからの短期間で済むという道理はありません。 潜龍舎では、独自のメソッドを用いて3年生になってからの対策でも、合格を勝ち得ています。とはいえ、総合型選抜・学校推薦型選抜は決して楽な入試ではありません。したがって、一般入試と同様に相応の時間をかけて準備をすることが必要となります。総合型選抜・学校推薦型選抜は、高校1、2年生から対策できることもありますし、対策しておくべきことがあります。 この点について、プロの総合型選抜・学校推薦型選抜対策指導者である佐藤の本音も交えて、お話したいと思います。

総合型選抜・学校推薦型選抜を利用しようとする際の7つの問題点

高校3年生になって、多くの受験生が総合型選抜・学校推薦型選抜を利用しようする際に発生する問題点は以下のようなものです。

①そもそも、やりたいことが見つかっていない/わからない

総合型選抜・学校推薦型選抜は、受験生の「志」を中心に、多面的な人物評価によって、受験生と大学(=大学教員)とのマッチングを図るための試験です。したがって、何よりもまず、「志」すなわち志望動機、志望理由が明確であることが望まれます。にもかかわらず、自分のやりたいことが見つかっていなかったり、自分の目標を明確に把握していなかったりする受験生をよく見ます。たとえば、これまで、弊塾の最初のご面談等で、どういうわけか、進路相談になってしまう人もいました。「僕は、私は、何を目指せばいいのでしょうか」と問われても、それは私たちが教えることではありませんし、教えられることでもありません。これは、自分が何をしたい人間なのか、何をしてこれから生きていきたいのか、自分自身に問い、自分で答えを出すしかありません。それが明確ではない人は、大学に行ってから探すという手もあります。そのために一般入試があるのです。総合型選抜・学校推薦型選抜は、志望がはっきりしていて、それを明確に伝えられる人が合格します。3年生になって、突然、「自分探し」をされても困りますし、総合型選抜・学校推薦型選抜 受験以前の段階になってしまいます。

②どうしたら将来の目標を達成できるのか、具体的に考えていない

どのような目標であってもかまわないのですが、どうも自身の将来の目標に対する道筋を上手く描けない人もよく見ます。それは、自分のやりたいことに対して、明らかにミスマッチな学部・学科を選択してくるような結果に現れてきます。なぜ、その学部・学科を選んでくる?と問いただしたくなります。また、何らかの資格を取れば、志望の職種などにすぐにつけると考えている人もおり、資格取得が大学での最重要課題になってしまう人もいます。そうであるならば、専門学校に行ってください。資格取得は、通過点に過ぎません。その資格を取得し、その職業に就くことで、どのように社会に貢献していくのか、どのような問題意識をもってその職の責務を全うしようというのかまで、総合型選抜・学校推薦型選抜では問われます。

③立派な実績がないとチャレンジできないと思い込んでいる

総合型選抜・学校推薦型選抜では、高校までの様々な資格取得や実績があれば、評価の対象になります。しかし、立派な実績がないからといって総合型選抜・学校推薦型選抜の利用を諦めるのは早計です。総合型選抜・学校推薦型選抜では、将来の自分の志望に対して、高校時代に何をしてきたかが問われるのです。実績づくりやボランティア、アルバイト等をたくさんしても、将来の志望との関連や目的がなければ意味がありません。部活動でレギュラーでなくても、生徒会長を務めなくても、一芸に秀でなくとも、将来に対して、何をしてきたかを示すことができれば、総合型選抜・学校推薦型選抜で合格できます。

④立派な実績があるから大丈夫だと思い込んでいる

全国大会出場、各種資格取得、多種のボランティア活動参加などなど、素晴らしい実績、業績がある人が総合型選抜・学校推薦型選抜受験生のなかにはゴロゴロいます。素晴らしいですね。しかし、そうした素晴らしい実績や業績があるから、合格するわけではありません。立派な実績があっても、将来の志望が明確ではなかったり、その実績を得るための過程や経験から何を学んできて、将来にどのように活かされるのかを提示できなければ、どんな実績もゴミです。立派な実績があっても、志望理由書がポンコツでは、合格しません。素晴らしい実績に依拠してか、志望理由書がポンコツな受験生も多々見ます。もったいないですよ。実績があるからいいというものではありません。「こんなすごい実績があるので、大丈夫ですよね?」と問うてくる受験生がいますが、そんな姿勢ではダメです。

⑤大学とは何をするところなのか、わかっていない

大学とは何をするところなのかわかっているでしょうか。大学は、教育研究機関であり、教育と研究を両輪として機能しています。そして、大学は、「まだわかっていないことの答えを見つける場」であり、格好よく言えば、どのような分野であれ、「新たな知の創発」を目的としています。要するに言いたいのは、大学では学生は教育を受けて、研究をする必要があるのです。だから、4年間の最後には卒業論文を提出する必要があるわけです。したがって、総合型選抜・学校推薦型選抜では、4年間の研究計画を提出させる課題を出す大学もあります。自分の目標に対して、どのような知が必要であり、そのためにどのような研究を行うのかを具体的に示す必要があります。こうした点を理解せずに、シラバスやカリキュラムを見て、大学に行って学びたいことだけを、目的を示すことなく志望理由書などにダラダラ書いても、無駄です。大学の役割をきちんと把握し、「新たな知の創発」のために、何を研究する必要があるのか、この点を明確にしなければ、総合型選抜・学校推薦型選抜で合格を勝ち取ることはできません。

⑥文章を書く訓練をしていない

試験まであと2週間というところで、小論文対策を申し込んでくる受験生もいます(怒)。小論文を、作文かエッセイと勘違いしていませんか。ナメ過ぎです。緊急の場合には、潜龍舎の指導でどうにかしますけれども、どうか、もっと早く来てください。加えて、高校三年間で文章を書く訓練をまったくしていないという生徒さんもいます。訓練をしていなければ、皆さんの文章作成能力は、中学生のままです。もう一度言いますね。ともかく小論文対策を楽観視せず、できるだけはやく来てください。 また、字数が少ない小論文をすぐに書けると勘違いしている人もいます。字数が少ないほど、小論文は難しいのです。字数が少ないため、語彙力が問われ、余計な記述をしないためのテクニックが求められるからです。字数が少ないのは、採点者側の都合です。大量の受験生の答案を見るには、字数が少ない方がいいからです。字数が少ないから、簡単なのではありませんよ。 さらに、どこかで聞きかじってきた小論文の構成テクニックを、そのまま使おうとする人もいます。これも無駄です。起承転結、序破急、序論本論結論…そもそも、起承転結は、漢詩の絶句の規則ですし、序破急は、舞楽・能楽の構成形式、序論本論結論は、長い論文やレポートを書く際の約束です。 多様な出題様式や内容が課される小論文に対して、形式的にこれらがそのまま当てはまるわけではありません。こう書けば合格する!これを書いておけばOK!みたいなものはありませんからね。潜龍舎では、現役の研究者(修士号取得者以上)であり本物の論文を書いているスタッフが、対策すべき大学の小論文ごとに取りうる「スタイル」や、そもそも何を書くべきかという発想法を教えています。使い古された、もはやテクニックとも言えない骨董品のような知識を無理やり当てはめようとしても無駄です。あとは、論点を示さずにいきなり主張を書いてしまったり、賛成/反対でしか問題を考えられない人など、挙げたらキリがありません。余計かつ無駄な知識を身につける前に、潜龍舎に来てください。

⑦プレゼンテーションを行う訓練をしたことがない

研究者は文系理系を問わず、学会などで自分の研究について発表をする必要があります。こうした素養を見るために、プレゼンテーションを課題とする大学も増えています。 高校で何らかのテーマについてプレゼンテーションを行った経験があったり、その訓練をしている生徒も多くはありません。大半が総合型選抜・学校推薦型選抜で生まれて初めてプレゼンの準備や訓練を行うことになります。昨今はパワーポイントを用いた発表を求める大学もありますから、パワーポイントを操作する訓練もしておく必要があります。そのうえで、3分間のプレゼンを行うならば、千字程度の発表原稿も用意する必要もあります。パワーポイント資料や発表原稿を作成したうえで、ようやく実際のプレゼンの練習に入ることができます。話すスピードや声の抑揚、目線をどこに向けるか、一番伝えたいポイントを伝える工夫など、実践練習を行います。こうした取り組みが必要なことを理解していない人がいることも問題です。プレゼンテーションの準備にも小論文や志望理由書などと同じように、時間がかかりますので、その点を踏まえて、総合型選抜・学校推薦型選抜の利用を考えてください。

 

将来的に総合型選抜・学校推薦型選抜を利用する選択肢を増やすために、高校1,2年生からしておくべきこと

①評定平均値を上げる

総合型選抜・学校推薦型選抜では、各大学が定める一定以上の評定平均値を有していることが出願要件となっています。1,2年生から志望大学の評定平均値を確認し、中間・期末テストにおけるモチベーションとして、抜かりなく点数を獲得できるようにしましょう。

②自分の将来について考える

3年生になって、しかも総合型選抜・学校推薦型選抜対策の段になって自分の進路や将来像を描こうとしても、知識や情報不足のために具体的な目標を描けない人がいます。1,2年生のうちから自分と向き合い、自分に何ができるのか、自分は何がしたいのか、そのためにどのような大学や職業が考えられるのかという、キャリアの探求をしておきましょう。特に、自分の目標に対して、大学で何を学ぶ必要があるのかを考えたり、調べたりすることが大事です。

③小論文を書く訓練をする

書く訓練をしなければ、皆さんの文章作成能力は中学生のままです。多くの高校は、3年生になって、申し訳程度に小論文対策をする場合が多いです。添削指導も十分に受けられない環境ではいくら書いても無駄です。また、高校生としてふさわしい言葉を用いることができず、語彙力に問題がある人も見かけます。月1回でもよいので、密度の濃い小論文対策指導を潜龍舎で受けましょう。

④プレゼンテーションや発表の機会があれば、積極的に取り組む

学校内の授業や行事において、プレゼンテーションや発表をする機会があれば、良い訓練だと思って積極的に取り組みましょう。特に、wordやPower Point等の操作にも慣れておくとよいです。

⑤実地体験をする機会を設ける

自分の興味関心に従って、学校内にかかわらず、何かを実地に体験する機会を設けましょう。アルバイト、ボランティア活動、地域の行事等への参加、市民講座への参加、留学などいろいろできることがあります。自分の趣味を極めるというのもありです。部活動でも構いませんが、組織の中で自分がどのような役割を果たせるのか、何がしたいのか、何ができるのかを考えて、部活動を行ってください。ただし、以上のような実地体験をするにしても、総合型選抜・学校推薦型選抜のネタづくりのためという意識ではダメです。将来の自分にとって何が必要なのかを考えて、その目的に適う活動を行いましょう。

⑥体験における気づきを言語化したり、大人と対話したりする機会を持つ

⑤における体験において、気がついたことや、問題だと思ったこと、さらなる興味を持ったことなどについて、自分で言葉にして残したり、大人と対話したりする機会を持つようにしましょう。自分の考えたことを正確に言語化する訓練は、志望理由書等の作成において活きてきます。

⑦勉強のモチベーションを上げるような自分だけのテーマを見つける。

自分の興味があること、自分が知りたいこと、問題だと思っていることを深く掘り下げ、自分だけのテーマを見つけ、現在の高校での学びや活動との接点を探りましょう。

⑧細く長く対策する。

上記の①~⑦について大事なことは、一度に、短期的にすべて行うのではなく、細く長く対策を継続していくことです。高校時代の貴重な時間を使って、自分の将来への一歩を踏み出しましょう。

 

1年後(or 2年後)に総合型選抜・学校推薦型選抜を受けようと思っている高校生へ

総合型選抜・学校推薦型選抜は楽な試験ではない

入学者数定員の厳格化に伴い私大一般入試の難化傾向が進み、一般入試よりもはやく合格が決定する総合型選抜・学校推薦型選抜の人気も高まっています。その結果、総合型選抜・学校推薦型選抜も倍率が上昇するなど総じて難化傾向を見せています。 したがって、戦略的な受験プランを構築し、相当の準備をしないと総合型選抜・学校推薦型選抜は受かりません。また、総合型選抜・学校推薦型選抜は、受験制度としてあるからという理由だけで、誰でも利用できるものではありません。評定平均値や語学の力(外国語検定試験資格)、※アカデミック・スキルズの有無など、大学側の要件も高くなってきているからです。

※アカデミック・スキルズとは

研究機関としての大学において、学問をするための種々の技法のことです。たとえば、講義ノートのとり方、専門書などの「テキスト」の読み方、図書館・インターネットなどによる情報収集の方法、レポート・論文の書き方、研究発表などのプレゼンテーションの方法、課題発見・解決のための思考法などが挙げられます。学生、研究者に求められるこうしたアカデミック・スキルを知らずに、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策をすることは不可能です。

また、「いまだに」一部誤解があるようですが、総合型選抜・学校推薦型選抜は、楽な試験ではありません。それどころか、ある面では一般入試よりも圧倒的に大変な試験だと理解してください。評定平均値(基礎学力)、志望動機、志望学部やアドミッションポリシーへの適正、過去の活動・体験、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力など、人間性が問われ総合的な力が求められるからです。合格までには、志望理由書作成のための自己分析と推敲の繰り返し、大量のダメ出し小論文対策(笑)、やり直しを何度もさせられるプレゼンテーション対策、厳しい質問ばかりされる面接練習などを繰り返すことになります。決して楽な試験ではないことをご理解ください。先輩方はあっさり総合型選抜・学校推薦型選抜で合格を決めたように見えるかもしれませんが、そこには時間と労力と人生をかけた努力があるのです。

皆が抱えている問題…

さて、潜龍舎は毎年、生徒の総合型選抜・学校推薦型選抜対策指導を行っております。すべての生徒がもちろんそうであるとは限りませんが、多くの受験生がある特定の問題を有するという共通の傾向を示します。したがって、将来において総合型選抜・学校推薦型選抜を利用しようと考えている高校生の皆様に取り組んでおいて欲しいことをお伝えしたいと思います。

1.将来の志望が明確ではない。

いつも生徒や保護者様にお伝えしていることです。「将来、〇〇になりたい」というだけならば、小学生だっていえるのです。問題は、なって何がしたいのか、どうしたいのか、何を実現したいのかです。教師になりたい、デザイナーになりたい、スポーツトレーナーになりたい、みんな書いたり、述べたりしますが、それだけでは受からない。それは小学生と一緒です。なって何がしたいのか、「志」を示す必要があります。しかし、多くの生徒の「志」は曖昧すぎます。それどころか、弊塾スタッフにこの点を指摘されると沈黙してしまう。

2.どうしたら〇〇になれるのか、リサーチしていない

「志」を問われて沈黙してしまうのは、その職種、業界、分野における現状の課題や問題を把握しておらず、端的にいって、何もわからずに「〇〇になりたい」というお花畑な発想をしているからです。教師になりたいと言いながら、どうしたら教師になれるのか、制度としても知らない受験生、結構います。完全に夢を見ているだけです。そこには「志」なんて生まれようもありません。

3.志望と大学で学びたいと述べる内容に乖離がある

高校時代に留学した経験から、英語の先生になりたい(あるある過ぎる!)とのたまいつつ、在学中は、ペットの殺処分問題(や人権問題、国際関係学、マーケティングetc.)について学び、研究したいというチグハグな内容の志望理由を書いてくる受験生もかなりいます。謎です。支離滅裂です。アドミッションポリシーにもまったく適合しない。でも、これ、マジですよ!英語の先生を志すなら、英語に関する問題意識によりますが、英語の指導法や教授法、英語教育の問題点などを研究するべきですよね。もう、かなり無茶苦茶なことをいってくる生徒、毎年けっこういます。

1年後(2年後)に総合型選抜・学校推薦型選抜を受けようと思っている高校生へ

お分かりいただけただろうか…。将来の志望や志を考えておかないと、かなり阿鼻叫喚な状態から総合型選抜・学校推薦型選抜を開始することになります。現高校1、2年生の生徒諸君、総合型選抜・学校推薦型選抜を受けるか否か決めていないとしても、自身の将来について考えたり、自分がなりたい職業、業界、分野等についてリサーチをしておくことを「強く」お勧めいたします。自分のこと(=自分の将来の志望)なのに、その語りがこれほど貧弱では、対策はかなり大変なことになります。今から少しずつ考えたり、行動していきましょう。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜 合格したいなら早期対策を!—合格の秘密①—

潜龍舎では、総合型選抜・学校推薦型選抜での受験を考えている方には、夏休み前からの早期対策の開始を強くお勧めしています。総合型選抜・学校推薦型選抜について、夏休み以前から弊塾での対策を始めた生徒の合格率は、現在まで100%です。なぜ、こうした数字を出すことができるのか。正直にいうと、明かしたくないのが本音ですが(笑)、今回はその秘密の一つについてお話したいと思います。

志望理由書/自己推薦書の作成には時間がかかる

公式な文章を書くことに慣れていない、そもそも文章を書いたことがない高3生の大半は、志望理由書を作成するのに、そもそも非常に時間がかかります。みんな、自分が思っている以上に、自分の考えを言語化できませんよ。事前の課題レポートや小論文やグループディスカッション、プレゼンテーションの対策にも早く着手するためにも、出願に必須の書類である志望理由書/自己推薦書の作成は余裕を持って行う必要があるため、夏休み前から、もっと言えば、最低でも4月から対策を行いたいところです。これまでの弊塾の合格者の大半は、高3になる直前の3月には弊塾へのお問い合わせをいただき、対策スケジュールや併願戦略などについて綿密な打ち合わせを行った上で、3月末から対策を開始していました。

志望理由書をオープンキャンパスに持っていけ!

志望理由書を早期に仕上げるメリットは、仮完成の志望理由書をオープンキャンパスや大学が主催する受験生向けの説明会などに持参することによって、大学側からフィードバックを得ることができる点です。 大学での個別相談会などに志望理由書を持って参加し、大学のスタッフや大学教員から志望理由書のフィードバックをもらうことができます(学生に相談するのはダメ、やめましょう)。このフィードバックを得られるかどうかが、かなり大きいです。特に弊塾の場合には、志望理由書のなかで入学後に指導を請いたいと考える大学教員の名前を挙げるように指導しています。したがって、志望理由書のなかで名前をあげた先生がいらっしゃれば、非常にラッキーです。直接、自分の考えを先生方に伝えることができ、プレ面接のような状況にもなり、本番の面接では、受験生と面接官である大学教員とがお互いに顔と名前を知っているという状況も生まれました。 志望理由書を大学のスタッフや教員に見せることにより、フィードバックを得ることによって、より合格にとって望ましい志望理由書を作成することができます。この過程を得ることができるかどうかで、合否がかなり変わってきます。 オープンキャンパスや個別相談会に志望理由書を持参するためには、夏休み前には志望理由書がある程度完成している必要があります。また、まともな志望理由書を作成しようと思ったら、三ヶ月はかかると思ってください。したがって、総合型選抜・学校推薦型選抜には早期対策が必要だというわけです。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜 合格したいなら早期対策を!—合格の秘密②—

(潜龍舎の「合格する」課題レポート対策指導の秘密)

事前課題レポートの存在

総合型選抜・学校推薦型選抜では、出願時に提出する課題レポートが課せられる試験もあります。

レポート課題例

上智大学 社会福祉学科 現代において社会福祉の果たす役割がますます重要になっています。その理由についてまとめ、あなたの考えを述べなさい。なお、そのときに参考にした社会福祉についての専門的文献を明記すること。(A4レポート用紙2枚程度・横書)

津田塾女子大学 学芸学部 国際関係学科 あなた自身の言葉で「世界」の問題について論じてください。その際、論じるテーマに関連する3つの著作をあげ、その内容に触れること。(2000字以内)

関西大学 社会学部 社会学科 メディア専攻 以下のいずれかを読み、2,000字程度の書評を書いてください。また、書評の内容にあうタイトルを付け、サブタイトルとして、著者と書籍名を付してください。

①川上量生『鈴木さんにも分かるネットの未来』岩波書店、2015年

②添田孝史『原発と大津波 警告を葬った人々』岩波書店、2014年

③松田美佐『うわさとは何か──ネットで変容する「最も古いメディア」』中央公論新社、 2014年

④森田浩之『スポーツニュースは恐い──刷り込まれる〈日本人〉』日本放送出版協会、 2007年

⑤奥村倫弘『ネコがメディアを支配する─ネットニュースに未来はあるのか─』中央公論 新社、2017年

*書評とは、書物の内容を踏まえた批評・紹介をさし、感想文とは異なります。

*たとえば朝日新聞デジタル内の本の情報サイト「好書好日」(https://book.asahi.com/reviews/)等の書評を 複数みて、書き方を参考にしてください。

*以下の点を盛り込んでください(ただし、順番どおりである必要はない。また項目別に分けて書かないこと)。

・本の概要

・なぜその本を選んだのかという自らの動機

・その本の意義(本の内容に関する学問的位置づけ)

・その本への批判(あえて批判を試みること)

 

以上のようなレポートを作成するのにも非常に時間がかかります。弊塾の場合でも、合格するレポート(2000字程度)の作成指導には最低でも一ヶ月はかかります。また、総合型選抜・学校推薦型選抜における課題レポートの水準は、大学生の学部1、2年生程度のレポートの質が求められます。さらに、参考文献等に何を用いるべきか、そもそもどのように参考文献を探せばいいのか、課題に対するテーマの選定をどのようにするべきなのか、レポートとはどのように書けばいいのか、高校生の皆さんにはほとんどノウハウがないと思います。レポートあるいは小論文すらほとんど書いたことのない高校生にとっては、かなりハードルが高い課題となっているため、やはり総合型選抜・学校推薦型選抜には早期対策が必要なのです! 課題レポート作成にも非常に時間と手間がかかります。したがって、早期からの対策が必要となるのです。志望理由書、課題レポート作成に加えて、小論文対策や面接対策などもあることを考えれば、総合型選抜・学校推薦型選抜が楽な入試様式ではないことがお分かりいただけると思います。ぜひとも早期からの対策を行なっていきましょう!

 

総合型選抜・学校推薦型選抜 合格したいなら早期対策を!—合格の秘密③—

ぶっちゃけ、全国大会優勝より、英検2級が欲しい。

総合型選抜・学校推薦型選抜について、各大学の試験における評価基準は様々にあります。しかし、同学部同学科の試験において以下のような受験生がいた場合、大学(=審査官である大学教員)はどちらの受験生を合格させるのか。

Aくん: 志望理由書+面接 評価A + 小論文 評価B + 全国大会優勝実績

Bさん: 志望理由書+面接 評価A + 小論文 評価B + 英検2級

非常に極端な例ではありますが、昨今、(スポーツ系の学部でさえ!)いくつかの大学では(あえて名前は伏せます、笑)、上記におけるBさんのような受験生が合格する傾向が見られるようになってきています。つまり、大学側は全国大会優勝よりも英検2級を評価するということです。

なぜ、大学は外国語試験資格保持者を優遇するのか

総合型選抜・学校推薦型選抜は、学力も含めた多面的な人物評価によって、学生を選抜する試験です。当然、学力だけで判断されることはないのですが、全国にある高校ごとに生徒には学力の差異があることは現実です。したがって、学力を測る指標としての評定平均値が、受験生の学力を担保しない数値であることも帰結します。となると、全国の受験生の学力を一定の基準で評価するために有効な対象は、各種の外国語試験資格やスコアということになります。 また、大学側は入学後にきちんと学生として学んでくれるかどうか、学力も含めた素養を見る必要があります。その際に、全国大会優勝実績はそうした受験生の素養を確証するものではありません。それゆえ、一定の外国語試験資格やスコアの保持者が試験において優遇されることになると判断できます。

まずは、英検2級を取ろう!

これまでも繰り返し述べてきました。いいからまずは、英検2級を取ってくれ、と。審査において、他の受験生と競った場合に、外国語試験資格を保持していることは大きなアドバンテージとなります。したがって、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策として、英検等、外国語試験資格を取得するためにも、早期から対策を開始することが必要だと何度も、何度も述べるわけです。

総合型選抜・学校推薦型選抜の出願要件として

総合型選抜・学校推薦型選抜において、外国語検定試験の基準を満たすことを出願要件とする大学が増えてきています。たとえば、上智大学公募制推薦入試では、すべての学部で外国語検定試験が出願要件になっています。総合型選抜・学校推薦型選抜の利用にあたっては、外国語検定試験は必須だと思ってよいです。英検で言えば、最低でも二級(相当のスコア)は装備しておきたいです。また、外国語検定試験が出願要件になっていない場合でも、評定平均値などに自信がない場合には、外国語検定試験で高スコアを取っておくことで、他の受験生に差をつけられることも考えられます。それゆえ、外国語検定試験も総合型選抜・学校推薦型選抜対策として必須であることを知ってください。

総合型選抜・学校推薦型選抜における外国語検定試験の扱い

外国語検定試験において大学側が指定するスコアや資格の取得を出願要件としている場合には、それらのスコアや資格を持っていないと出願すらできません。また、出願要件になっていない場合でも活動報告書などに記載することで、評価の対象になります。逆にいえば、外国語検定試験のスコア・資格を持っていないと、総合型選抜・学校推薦型選抜では不利になると言えます。

早期から外国語検定試験の対策を!

外国語検定試験のスコア・資格の取得は、「出願書類提出期限から遡って2年以内に受験したものを有効とする」という規定もある場合がありますので、受験生は早急に、高校1,2年生は3年生になる直前あたりに、外国語検定試験で一定の成果を出せるとよいと思います。したがって、やはり早期から準備を進めていきましょう!

 

総合型選抜・学校推薦型選抜に対する誤解①

(総合型選抜・学校推薦型選抜は、一般入試より楽な試験ではありません。)

面談などをしていると、どうも総合型選抜・学校推薦型選抜に対して誤解をお持ちの方がいらっしゃるようです。ここで誤解を解いておきましょう。

誤解① 総合型選抜・学校推薦型選抜って、学校の成績が多少悪くても受かるんでしょ?

総合型選抜・学校推薦型選抜では評定平均値が見られる場合もあります。たとえば入試要項に「評定平均値4.0以上」と具体的な数字が示されたりします。総合型選抜・学校推薦型選抜は、学校成績(基礎学力)のほかに、受験者の「人物像」に加え、「大学で探求するための力」、「明確な目的意識」があるかなどを総合的に評価する試験です。学校の成績が不問とされるわけでは決してないです。

誤解② 学校や部活で要職(生徒会長、部活の部長、キャプテン)についていないと、受からないんでしょ?

学校などで要職についているから、合格するということはありません。部活で補欠であったとしても、自分の立場において問題意識を持ち、活動してきたかどうかが大切です。反対に、生徒会長を務めたとしても何らかの問題意識や目的を持って活動していなければ、評価の対象にはなりません。

誤解③ 留学していないと受からないんでしょ?/コンテストなどに入賞して結果を出していないと受からないんでしょ?

総合型選抜・学校推薦型選抜 受験者のなかには留学経験者がいることも事実です。しかし、留学したから合格するわけではありません。留学経験を通して、将来に対してどんな目標を持ち、どんな活動をしてきたかが重要なのです。また、コンテストなどで入賞することはたしかに素晴らしい実績となります。しかし、そのコンテストでの入賞の過程や、目的意識がどこにあるのかが問題なのです。輝かしい実績はなくとも、何かに対して強烈な興味があるということを示すことができれば十分です。留学やコンテスト入賞など特別な活動は必須ではありません。

誤解④ 一芸がないと受からないんでしょ?

かつて、一芸入試があったことは事実です。しかし、現在の総合型選抜・学校推薦型選抜は一芸入試ではありません。大学で学ぶ力や目的意識などが一番に問われます。

誤解⑤ 一般入試との両立は無理なんでしょ?

総合型選抜・学校推薦型選抜のみで受験をしようというのは、リスクが大きいです。潜龍舎では、一般入試の対策もするように指導しています。また、総合型選抜・学校推薦型選抜には入念な準備が必要ですが、計画的に準備をしていくことで、一般入試対策との両立は可能です。   上記の誤解に加えて、もっとも大きく、度し難い誤解は、総合型選抜・学校推薦型選抜は、一般入試より楽な試験であるというものです。総合型選抜・学校推薦型選抜は楽な試験ではありません。志望理由書、小論文、面接、プレゼンテーション等、一般入試とは異なった対策が必要になり、それぞれ対策には時間がかかります。まずは、この誤解を払拭していただければと思います。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜に対する誤解②

(君は根本的に一つ、大きな勘違いをしている。総合型選抜・学校推薦型選抜は、誰でも受けられる試験ではない。)

夏休みを前にして

毎年、夏休みを前にして本当に多数のお問い合わせ、ご相談をお受けいたします。実際に、概ね夏休みあたりが総合型選抜・学校推薦型選抜対策を開始するデッドラインです。試験の時期にもよりますが、夏を過ぎてから、しかも一般入試対策と並行して行う総合型選抜・学校推薦型選抜の対策は、スケジュール面からしても、なかなかに厳しいものがあります。他方で、弊塾の場合は、夏休み前から対策を始めた受験生の合格率は開塾以来、今のところ100%です。受験生、そして保護者の方々もこの時期が分水嶺であることはご理解いただけているのだと思います。しかし、お問い合わせをいただく受験生・保護者の皆様のなかには、根本的に総合型選抜・学校推薦型選抜について誤解をなさっている方もいらっしゃいます。

入試制度があるのだから、誰でもチャレンジできるのでは?

総合型選抜・学校推薦型選抜は各大学が学生を募集・獲得するための試験制度としてあります。したがって、一般入試と同様に誰もが平等に試験を受けることができると考えている方がいるようです。しかし、それは誤解なのです。

総合型選抜・学校推薦型選抜は誰でも受けられる試験ではない!

総合型選抜・学校推薦型選抜は、志望理由書、レポート課題、小論文試験、グループディスカッション、プレゼンテーション、面接などを試験として課し、学力も含めて、多面的な人物評価によって、合否を判定する試験です。そのなかでも最も重要なのが、受験生の「志」です。なぜなら、将来の夢や目標などの「志」が明確であり、かつその「志」を果たすために、大学で学ぶ目的や計画が明確であること、加えて大学で学ぶ意欲が高いことを証明し、アピールすることが試験全体をとおして求められるからです。したがって、一にも二にも、総合型選抜・学校推薦型選抜において重要なのは、「志」があるかどうかなのです。ただ大学で学びたいというだけでは、まず合格しません。それどころか、「志」がなければ、そもそも出願のための志望理由書すら作成できません。つまり、総合型選抜・学校推薦型選抜は「志」がある人にしか受験することができません!。これが、どの塾もなぜかはっきり言わない、総合型選抜・学校推薦型選抜の真実です。受験生、ならびに保護者の皆様にお尋ねしたいのは、あなた(保護者の皆様には、あなたのご子息、ご息女)には「志」がありますか、ということです。それが確認できなければ、総合型選抜・学校推薦型選抜の受験はできません。この試験は、この「志」の有無の一点にかかっているのです。

大学側の出願要件を見るべし!

さらに、総合型選抜・学校推薦型選抜が誰でも自由に受けられる試験ではないことは、大学側の出願要件を見ればわかります。評定平均値の規定があったり、外国語資格試験の成績要件(ex.上智大学の公募制推薦入試は、すべての学部で外国語検定試験の一定の要件を満たさなければ出願すらできない。)などがあり、一般入試のように誰もが無条件に受けられる試験とは異なります。

夢や目標なんてそんなに簡単に見つからないんだよ!

夏休みになって、総合型選抜・学校推薦型選抜を受けるために、自分の「志」を見つけようとして、いわゆる「自分探し」を始めます。自分の夢や目標というのは、探して簡単に見つかるものではないことは、特に保護者の皆様にはご理解いただけるものと思います。たしかに、潜龍舎では、何かしらのきっかけやぼんやりと思っていた夢や希望を丁寧に掬い取っていく過程を通して、受験生の「志」を明確にしていきます。しかし、「僕は、私は、何を目指せばいいのでしょうか」と問われても、それは私たちが教えることではありませんし、教えられることでもないのです。

だから、1,2年生から対策が必要なんです!

自分の将来の夢や目標を、その方向性だけでもある程度すでに見つけている人でも、その夢や目標を実現する具体的な手段や計画まで探求している人は少ないと思います。また、そもそも将来の夢や目標などの「志」が見つかっていない人も多数いると思います。したがって、自分の将来のキャリアを早期から考えていく必要があります。高校3年生になって、あわてて考え始めても、やはり無理があります。だから、高校1,2年生からの対策が必要になるのです。君の「志」について具体的な探求をしていきましょう!

 

総合型選抜・学校推薦型選抜に対する誤解➂

(活動の実績もないのに、総合型選抜・学校推薦型選抜を受けられると思うなよ。)

「総合型選抜・学校推薦型選抜に対する誤解②」でもお伝えしてきましたし、これまでもセミナー等で何度も何度もお伝えしてきたつもりなのですが、本当になかなかご理解をいただけないので、こちらも負けずに何度でも申し上げます。 総合型選抜・学校推薦型選抜は誰でも受けられる試験ではありません。指定校推薦が取れそうにないから、総合型選抜・学校推薦型選抜に挑戦したいという考え方には気を付けていただきたいと思います。というか、たいてい無理です。

志望理由書/自己推薦書 課題を見ればわかる

例:上智大学自己推薦入試(公募制)自己推薦書課題

「志望動機」「学力」「学業成績以外の卓越した能力」「課外活動・社会活動の実績」「特技」等を記述し、自己を推薦する内容であるもの。

①志望動機

②学力 

③学業成績以外の卓越した能力 

④課外活動・社会活動の実績

⑤特技

まず、上記のいずれかを説明しなければなりません。すなわち、上記の項目に適合するような経験や実績があることが前提されています。この自己推薦書を作成するにあたり、①は絶対に必須です。あとは②~⑤のなかで、あなたが何を訴えることができるのか考える必要があります。潜龍舎に来る生徒たちは、②学力(Ex.数学オリンピック出場など)、③学業以外の卓越した能力(Ex.スポーツ、学外における研究、創作、芸術活動など)、⑤特技(Ex.スポーツ、英語以外の語学など)といった能力や実績を有する生徒は皆無です(笑)。そんなスーパー高校生はうちには来てくれません(笑)。というか、そんな生徒めったにいない!。潜龍舎が上智大学他、総合型選抜・学校推薦型選抜への合格者を輩出できているのは、④課外活動・社会活動の実績を積み上げたり、これをアピールするように指導しているからです。反対にいえば、上記②、③、⑤がないとして、加えて、④についても何もなかったら上智大学の自己推薦入試は、そもそも受けられはしないということです。

活動の実績もないのに、総合型選抜・学校推薦型選抜を受けられると思うなよ!

さて、潜龍舎では毎年本当に多数の方からお問い合わせやご相談をいただいております。しかし、上記のように活動実績等を報告することが求められているのに、これまでに何もしておらず、そうした活動実績もないままに総合型選抜・学校推薦型選抜を受験したいと言われましても、そもそも出願書類すら作成できません。したがって、指定校推薦枠が取れなかったから、総合型選抜・学校推薦型選抜へという発想は、非常に危険だといえます。活動実績や取り組んだといえることがない人は、総合型選抜・学校推薦型選抜を受けることができません。

課外活動、活動実績というのはそもそも何なのか

本当にみなさん、部活動しかおこなっていません。しかし、世界大会や全国大会にでも出場しない限り、部活動は活動実績にはなりません。とはいえ、活動実績とはコンクール優勝などの輝かしい成績だけをいうのではありません。そうではなく、将来の自分の「志」から逆算したときに、今の自分に何ができるか考え、何をしてきたのかが活動実績です。

Ex.弁護士になりたい

→日本でこれまでに生じた労災事件についての調査活動、大学における模擬裁判の傍聴、弁護士事務所の訪問&インタビュー

Ex.高齢者福祉に取り組みたい

→地域の高齢者との触れ合いの場として、地域にいるおばあさまたちのためのファッションショーの開催。

Ex.養護教諭の先生になりたい

→救急介護講習、看護体験講習、介護体験講習への参加、出身中学校の養護教諭への先生のインタビューや市内の小中学校の生徒たちへ養護教諭についてのアンケート調査活動。

これまでに潜龍舎の指導で合格した生徒たちが実際に行ってきた活動です。そして、以上のような活動が活動実績です。学校の「探究」の授業を挙げる人もいるのですが、それは学校内の活動であり、「きっかけ」でしかありません。しかも、昨今はどこの学校でも行われているため、特別な、アピールすべき活動実績としては挙げることはできません。

高校1,2年生の皆さまへ

将来的に総合型選抜・学校推薦型選抜の利用も考えているならば、自分の将来を考え、自分の将来に向けて今、何ができるのかという観点から、(学校の外で)様々な活動に取り組んでみてください。大人に混じって何かをする経験を積んでください。部活動をしているだけでは、大学への道は開かれません。みなさんはすぐにボランティア活動と言いますが、自分の将来と関連がなければ、何の意味もありません。

学校の先生方へ(怒)

すべての教員がそうではないと思いますが、先生方、高3の夏休み前に生徒たちの成績等を見て、安易に総合型選抜・学校推薦型選抜の利用を勧めないでいただきたい。毎年、生徒や保護者様から「学校の先生に受けてみたらといわれたので…」ということで総合型選抜・学校推薦型選抜を受けたいというご相談をお受けしますが、上記のとおり、すべての生徒が総合型選抜・学校推薦型選抜を受けられるわけではありません。あなたの生徒は残念ながら、何の活動実績も、最悪、「志」も持ち合わせていないですよ。どうして、安易に総合型選抜・学校推薦型選抜を生徒に勧めるのでしょうか。ぜひ、やめていただきたく存じます。

総合型選抜・学校推薦型選抜を利用しようと考えている高校1,2年生へ

部活動をしているだけでは、「志」は醸成されません。月並みですが、様々なことに挑戦したり、取り組んだり、読書や映画などもとおして、自分の「好き」や興味関心を高めていきましょう。そして、自分が何をして生きていきたいのか、大人(両親、学校の先生以外にも多くの大人がいます)との対話を通して、自分の「志」を言語化し、語ってみましょう。潜龍舎でもそうした生徒のためのきっかけとなる講座を開設しています。ぜひ、ご利用いただければと存じます。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜に対する誤解④

(志望校の総合型選抜・学校推薦型選抜をそもそも受けられないという悲劇を迎える前に…)

これまでもセミナー等で何度も何度もお伝えしてきたつもりなのですが、本当になかなかご理解をいただけないので、こちらも負けずに何度でも申し上げます。総合型選抜・学校推薦型選抜は誰でも受けられる試験ではありません。

ごめんなさい、無理なんです…

夏休みも終わりかけているのに、受験生からこれまでも以下のような質問を多数、受けてきました。

相談実例1

私は、総合型を受けるんですけど自己推薦書を800字で書かなければならないんです。私は帰宅部でボランティアも2回しかやっておらず、学習面でいうと英語しか強みがなく、探究活動のことも書くのですが、探究のことについて何を書けばいいか分かりません。どういった文の書き方をすればよいか教えてください。

相談実例2

総合型選抜のエントリーシート(or 志望理由書)に「これまで地域で活躍した実績と、これまで学校で学んだ授業科目の内容がそれらの活動にどのように役立ったか、その関連性について書きなさい」という項目があります。しかし、私は部活ばかりしていたのでボランティアもしておらず、実績といえることをしていません。また、実績があったとしても学校で学んだ授業科目がどう役立ったかも書くのが難しいです。たとえば、どんなことを書けばいいのでしょうか。

ごめんなさい。活動実績の報告を求められているのに、それがないし、何もしていないといわれたら、もう無理なんです…。この大学には出願できません。出願しても合格することはないのです。どんなことを書けばいいかではなく、そもそも書くことがないため、書けないのです…。

志望理由書/エントリシート課題から大学のメッセージを正しく把握してください

厳しいことを言えば、活動実績を有していない受験生を大学側は求めていないということです。活動実績が積みあがっていないにもかかわらず、総合型選抜・学校推薦型選抜に臨もうというのは非常に無謀なのです。受験生になって、夏休みになって、制度として総合型選抜・学校推薦型選抜があるから、誰でも受けられる試験ではないのです。志望理由書やエントリーシートの課題をよく見てください。上記のように、「これまで地域で活躍した実績」とあれば、地域で活躍していることが出願の段階で条件とされているのです。つまり、「これまで地域で活躍した実績」がない者は、最初から入試の選考から除外されているのです。 以上より、再度繰り返します。総合型選抜・学校推薦型選抜は誰でも受けられる試験ではありません。 

高校1,2年生の皆さまへ

将来的に総合型選抜・学校推薦型選抜の利用も考えているならば、自分の将来を考え、自分の将来に向けて今、何ができるのかという観点から、(学校の外で)様々な活動に取り組んでみてください。大人に混じって何かをする経験を積んでください。部活動をしているだけでは、大学への道は開かれません。みなさんはすぐにボランティア活動と言いますが、自分の将来と関連がなければ、何の意味もありません。高3生になって、慌てて実績を積み上げようとしても無理があります。早期対策が合格の鍵です。

 

「○○をしている/××を持っている と総合型選抜・学校推薦型選抜で有利になりますか」系の質問について

(君は総合型選抜・学校推薦型選抜のことが本質的にわかっていない…)

総合型選抜・学校推薦型選抜という試験のことをわかっていない質問

・コンクールに出ていると総合型選抜で有利になりますか。

・生徒会長をしていると学校推薦型選抜で有利になりますか。

・英検準1級を持っていると試験で有利になりますか。

・全国大会に出ていれば、総合型選抜などで評価されますよね。

弊塾においても毎年、こうした質問をご面談などで本当によく受けます。しかし、これらの質問は、本質的に総合型選抜・学校推薦型選抜という試験を完全に見誤っている質問だといえます。総合型選抜・学校推薦型選抜という試験の性質・特徴がわかっていません。

総合型選抜・学校推薦型選抜とはどのような試験なのか

総合型選抜・学校推薦型選抜では、一般に書類審査(志望理由書、自己推薦書、活動報告書、エントリーシートなど)に加えて、小論文、プレゼンテーション、グループディスカッション、面接などの試験課題が課せられます。こうした試験における審査の眼目は、学力に加えて受験生の学力や「志」の有無を含めた、総合的かつ多面的な人物評価にあります。   評価モデル 仮に総合型選抜・学校推薦型選抜において、以下のような評価項目があるとします。

・基礎学力(評価対象:評定平均値、外国語資格試験のスコアなど)

・人物像(コミュニケーション能力、調査書所見、活動実績など)

・「学生」として求められる力(物事を探求する力、問題を自分で発見する力、自らの考えを他 者に正確に伝える力など)

・明確な目的意識(志望理由、キャリア構想、取り組みたい問題への当事者性など)

 

Aさん

基礎学力:100P(ポイント)

人物像:40P

「学生」として求められる力:40P

明確な目的意識:40P  

→合計220P

Bさん

基礎学力:60P(ポイント)

人物像:100P

「学生」として求められる力:30P   

明確な目的意識:30P

→合計220P

Cさん

基礎学力:40P(ポイント)

人物像:70P

「学生」として求められる力:70P

明確な目的意識:70P  

→合計250P

というわけで、この場合Cさんが合格します。つまり、学力だけでもダメですし、何かしらの活動実績や資格があるだけでもダメなのです。あくまで総合的な評価がなされます。 したがって、冒頭にあげた類の質問は、この試験の審査の性質から、完全に的外れな質問だということをご理解いただけると思います。ある資格がある「から」、評定平均値が高い「から」、全国大会で優勝している「から」、生徒会長をやっている「から」、それだけで合格する試験ではないということです。あくまで、総合的かつ多面的な人物評価がなされる試験だということを十分にご理解いただければと存じます。

特にスポーツ系の人

「全国大会に出場しているから、この試験に合格しますよね?」、この手の質問を非常にたくさん受けます。しかし、もうお分かりのとおり、全国大会に出場している「から」、合格する試験ではありません。総合型選抜・学校推薦型選抜をお受けになるならば、相応の学力や「志」を備えて挑戦していただければと思います。

総合型選抜・学校推薦型選抜を利用しようと考えている高校1,2年生へ

部活動をしているだけでは、「志」は醸成されませんし、活動実績としても積みあがりません。月並みですが、様々なことに挑戦したり、取り組んだり、読書や映画などもとおして、自分の「好き」や興味関心を高めていきましょう。そして、自分が何をして生きていきたいのか、大人(両親、学校の先生以外にも多くの大人がいます)との対話を通して、自分の「志」を言語化し、語ってみましょう。潜龍舎でもそうした生徒のためのきっかけとなる講座を開設しています。ぜひ、ご利用いただければと存じます。

 

高校1,2年生の皆様へ 総合型選抜・学校推薦型選抜 「活動実績」について

総合型選抜・学校推薦型選抜では、活動実績報告書等で高校まで取り組んできたことについての活動を報告させる場合が多々あります。場合によっては、志望理由書や自己推薦書においてそうした活動について内容として盛り込むことを指示する課題もあります。この活動実績、実は1,2年生のうちにしか積み上げていくことができませんし、少しずつ積み上げていくべきです。

夏休みを前にして

毎年、夏休みを前にして総合型選抜・学校推薦型選抜について、受験生から多数のお問合せをいただきます。しかし、その半分については入塾をお断りすることになってしまいます。なぜなら、「活動実績」が積みあがっていないからです。「活動実績がないと総合型選抜・学校推薦型選抜において不利ですか」という質問もよくされます。愚問です。不利に決まっています。様々な活動をしてきた受験生と比較された場合に、何も活動していない受験生が評価されないのは、火を見るよりも明らかです。はっきり申し上げます。何かに取り組んできた活動実績がないと総合型選抜・学校推薦型選抜は受けられません。高3の夏休み直前にこうした事態を招かないように、総合型選抜・学校推薦型選抜の利用を考えている高校1,2年生のみなさんは少しずつ動いていきましょう。

というか、そもそも高3の夏休みから対策は実質的に無理だから…

総合型選抜・学校推薦型選抜について、やはりまだ皆様によくご理解いただけていないのでしょうか。高校3年生の夏から対策したいと言われましても、かなり難しいと思います。潜龍舎の場合は、いろいろな指導ノウハウを用いてなかには合格する場合もありますが、3月、4月から始めた生徒とは対策の盤石さ、合格率がだいぶ変わってきます(ちなみに夏前、遅くとも5月から対策を始めた受験生の合格率は、開塾以来、現在2023年までにおいて、今のところ潜龍舎100%です)。   なんども、なんども、なんども、なんども、なんども、なんども、なんども、申し上げているように、総合型選抜・学校推薦型選抜の対策は早期から始めましょう。

真の活動実績とは!?

Ex.弁護士になりたい

→日本でこれまでに生じた労災事件についての調査活動、大学における模擬裁判の傍聴、弁護士事務所の訪問&インタビュー

  Ex.高齢者福祉に取り組みたい

→地域の高齢者との触れ合いの場として、地域にいるおばあさまたちのためのファッションショーの開催。

Ex.養護教諭の先生になりたい

→救急介護講習、看護体験講習、介護体験講習への参加、出身中学校の養護教諭への先生のインタビューや市内の小中学校の生徒たちへ養護教諭についてのアンケート調査活動。

これまでに潜龍舎の指導で合格した生徒たちが実際に行ってきた活動です。そして、以上のような活動が真の活動実績です。学校の「探究」の授業を挙げる人もいるのですが、それは学校内の活動であり、「きっかけ」でしかありません。しかも、昨今はどこの学校でも行われているため、特別な、アピールすべき活動実績としては挙げることはできません。 大事なことは、自分の将来から逆算して今、将来に向けて何ができるかを考えて、実行していくことです。社会的問題にしても、あなたが関心を持つ大きな問題の手前にある小さな問題に取り組んでみる、これが活動実績です。こうした活動は、高3になってから積み上げられるものではありません。高校1,2年生から少しずつ、自分の将来を見定めながら、活動を積み上げていくことが重要です。高3になって、突然、積み上げられるものではありませんので、早期から細く長く対策を講じていきましょう! 将来的に総合型選抜・学校推薦型選抜の利用も考えているならば、自分の将来を考え、自分の将来に向けて今、何ができるのかという観点から、(学校の外で)様々な活動に取り組んでみてください。大人に混じって何かをする経験を積んでください。部活動をしているだけでは、大学への道は開かれません。みなさんはすぐにボランティア活動と言いますが、自分の将来と関連がなければ、何の意味もありません。

 

続 活動実績について

(生徒会活動、部活動、ボランティア活動をやってきました!?志なき活動は、そもそも評価の対象にすらならない…。)

「生徒会活動やボランティアをやってきました!」

「生徒会やボランティア活動、それに部活動も3年間やめずにがんばってきたので、総合型選抜・学校推薦型選抜を受験して、合格することはできますか。志望理由書にはそうした高校時代にがんばったことをアピールするように大学の個別相談会でも言われました!」

先日も保護者の方からこうしたご相談を受けました。潜龍舎としての回答は、「生徒会やボランティア活動、部活動の体験が将来の志に結び付くものであれば、志望理由書を書くことはできるかもしれません。」という、なんとも歯切れの悪い物言いになってしまいます。 もう一度確認しておきたいと思います。大学入試において本質的に「評価の対象となる活動実績」とは、将来の志から逆算したときに、あるいは将来の志に「もとづいて」、今、高校生として何ができるかを考えて、行動し、積み上げてきた成果や活動です。大事なことは、「将来の志にもとづいている」こと、あるいは「将来を考えて行動してきた」ことです。 弊塾において合格する生徒はみんな例外なく部活動も生徒会についてもそれだけを活動実績として挙げていません。部活動や生徒会や志なきボランティア活動を実績のように訴えても、合格することはないからです。つまり、それらは審査官である大学教員を納得させる理屈にはならないのです。

生徒会や部活動と将来の志…

潜龍舎におけるこれまでの指導経験や指導事例から、端的にいって、生徒会活動や部活動があなたの将来の志とどう結びついているのかを説明するのは難しいと思います。反対に以下のような事例であれば、志にもとづいた生徒会活動や部活動として説明が可能です(が、こうした例は稀です…)。

〇生徒会活動

評価される生徒会活動例

もともと地域振興や地方創生、地域コミュニティ活性化の課題等に関心があり数々の書籍を渉猟しており、大学では公共政策について学び、将来は地域行政にたずさわり、少子高齢化の進む日本における地域の振興を図る公務員として働くことを志している。私には生徒会活動において、生徒会活動という体裁を取りながら、学校組織を巻き込んで、文化祭や体育祭などの学校行事において毎回、地域の人々も巻き込んだ地域振興活動を三年間行ってきた実績と成果がある。たとえば……

生徒会活動それ自体が実績になるのではなく、生徒会という組織体を用いて将来の志にもとづいて何ができるかを考えて行動した結果です。たんに「生徒会やってました」ではなく、生徒会という組織を用いて、学校を巻き込んで、自分の志に照らして何ができるかを考えて継続的に行動した成果が活動実績です。目的は生徒会活動そのものではなく、その先にある地域振興活動なのです。そして、大学教員はこの生徒の生徒会活動ではなく、生徒会をつうじて実践された地域振興活動のほうを評価するわけです。ちなみに以降の生徒の例も実際に潜龍舎において指導した生徒です。 「生徒会活動をつうじてリーダーシップを発揮して、生徒の意見をまとめ、生徒生活や学校の風紀を守り、校則の改正を行ったり、文化祭における予算の拡充を図りました!」程度の、あくまで生徒会が行いそうな仕事をそのままやりました程度の報告では、評価の対象になりませんので、気をつけてください。

〇部活動

スポーツ系の部活の人は、スポーツ推薦系の試験ではなく、純粋に総合型選抜・学校推薦型選抜に臨もうとするならば、(大学にもよりますが)全国大会、国体、世界大会レベルでないと、評価の対象にすらならないと思ったほうがよいです。つまり、スポーツ推薦に臨むこともできない中途半端な実績では評価の対象になりません。「うちの息子、娘は部活動をしっかり3年間がんばりました!」と本当に保護者の皆様方がおっしゃられますが、全国の高校生がみんな3年間部活動をがんばっていますよ…。

ダンス部での活動例

福島原発事故以降、放射能汚染の被害を恐れ、外で遊ぶことができなかったり、身体を動かすことができない市民や子どもたちのために、各種のイベントを行政機関やNPO組織と共催し、ダンスイベントをつうじて市民の健康増進を図る活動を行ってきた。こうした活動実績から、将来はダンスによる健康増進や生活習慣病の予防などに効果的なプログラムを科学的知見にもとづいて作りたいと考えるようになった。

たしかに部活動なのですが、部活動の域を超えて取り組んできた市民の健康増進活動が評価の対象となり、さらにこの活動から将来の志を見出した経緯も説明することができます。 要するに、部活動をそのまま行っているだけではダメです。サッカー部だったらサッカーしかしていない、野球部だったら野球しかしていない状態だと、よほどの成果が出ていない限りは、評価されません。それは志に向けた活動ではなく、単なる趣味になってしまうのです。

「ボランティアをやっていてもダメなんですか!?」

上記のようなお話をするとたたみかけるように言われます。「うちの子、けっこうボランティアもやっているんですよ!」、保護者の皆様からなかばキレ気味に訴えられます。火に油を注ぐようなことになるのですが、潜龍舎は言ってしまいます。「志なきボランティアは意味がありません」。何度も申し上げるのですが、将来の志にもとづいて今何ができるかを考えた活動でなければ、評価の対象にならないのです。大学では英文学について学び、シェイクスピア研究を行いたいと言っているのに、子ども食堂でのボランティアをやりましたと言われても志と結びつかないのです。仮に将来は子どもの貧困やネグレクトの問題などの解消に取り組みたいという志があるならば、子ども食堂におけるボランティアは経験として積んでおく必要がありますし、有効だといえます。 何かに対する興味・関心があるというならば、さらに関心を高めてきたのならば、関心の対象に対してどのような行動や活動を行ってきたか(=活動実績、何らかの探究活動も含まれる)を示すことによって、自分の関心の高さを証拠づけ、アピールする必要があります。ボランティア活動についても、将来の志にもとづいた活動を行い、示す必要があります。

改めて活動実績とは

まとめましょう。

大学入試において本質的に「評価の対象となる活動実績」

=将来の志から逆算したときに、あるいは将来の志に「もとづいて」、今、高校生として何ができるかを考えて、行動し、積み上げてきた成果や活動

志なき活動や経験は志望理由書や自己推薦書、活動報告書に記述しても、評価の対象にはなりません。なぜ、どのような問題意識や将来の志があって、その活動を行ってきたのかが入試においては見られます。また、さまざまな活動を通じて、志が醸成されてくるというのが実態だと思います。部活動を行うばかりではなく、世の中や社会に目を向けて、自分が生きる世界に対する関心を高め、行動を起こしてもらいたいです。たんに社会問題だけではなく、文学、映画、ファッション、アニメ、音楽、ドラマ、演劇、どこからでも学問への入り口はあります。YoutubeやTikTok、SNSばかり見ていないで、「ほんもの」に実際に触れることが大切だと思います。自分が寝食を忘れて夢中になれるものを見つけ、少なくとも同年代の誰も追いつくことのできないほどのマニアやオタクといわれるまでにまずはどっぷりとはまった先に将来が見えてくることもあります。高校1,2年生においても総合型選抜・学校推薦型選抜に将来的に臨もうと考える方は、この点を忘れずに、何も考えずに部活動や生徒会、ボランティア活動を行うのではなく、将来を考えて行動していただけるとよいと思います。そして、以上のような取り組みや活動や将来を考えることが面倒な人は、一般入試を受ければよいだけです。

 

高校1,2年生の皆様、活動実績を積み上げよ!

高校3年生になってからでは活動実績を積み上げることは難しいため、高校1,2年生から積み上げていきましょうと述べました。しかし、高校生の皆さんがどこで聞きかじってくるのか、活動実績というと全員が異口同音に「ボランティアとかですよね」といいます。ボランティアもたしかにあるのですが、活動実績として大学が何を求めているのかは、大学の入試要項や活動報告書などの指示などで確認することができます。いくつか確認してみましょう。

大学が求める活動実績とは!?

横浜国立大学 教育学部 学校推薦型選抜

自己推薦書〔全国枠・地域枠〕・自己推薦書補足資料〔全国枠・地域枠〕より

様式E-1~2(計2枚)〔全国枠・地域枠〕に、「教職を目指すあなたの特筆すべき資質や適性」に留意し、分かりやすく、かつ、具体的に志願者本人が考えたことを手書きで800字以内で記入してください。また、これまでの生活の中で以下に挙げる経験がある場合には様式F〔全国枠・地域枠〕に〔記入例〕を参考に内容を記述し、加えてそれを示す資料をA4判の用紙にコピーし、資料番号を書き込んだ上で添付してください。

・高等学校や教育委員会等が行う教員養成のためのコースやセミナー等への参加、学校教育に関わる探究活動等

・教員養成系大学・学部が関わるイベント(高大連携に関連する公開講座等)への参加

・小学校の児童又は中学校の生徒とふれあう継続的な体験活動(ボランティア等)

令和4年度 横浜国立大学 教育学部 学校推薦型選抜 学生募集要項より

千葉大学 理学部 地球科学科 自己推薦書 記述要件より

地球科学科においては,地球科学に関する研究・調査・探求活動を行い,学会,ワークショップ,研究集会,地学オリンピック,理科研究発表会等で発表したことがある場合は,参加した学会等の名称,参加年月日,発表タイトルと著書名,簡単な発表内容を記載しても構いません。

千葉大学 教育学部 中学校コース 数学科教育分野

「活動履歴書」に記載した活動内容を証明できる資料等の例

数理科学関連のコンクールや公開講座,学校での数理科学クラブ活動の内容と結果が証明できる資料,コンクールでの賞状の写し,数学検定試験の合格証明書の写しなど。

東洋大学 社会学部 社会学科 自己推薦入試 志願理由書 記述要件より

問題意識や志願動機に関わる自分のこれまでの社会経験や社会活動、職業経験、巻き込まれた事件やできごと、強く感銘を受けた読書体験など

日本大学 文理学部 史学科 総合型選抜 出願要件より

高等学校もしくは中等教育学校(後期課程)在学中に歴史を扱う部活動に在籍,または地域の歴史系研究会などに在籍し,エントリーまでに行った活動実績を提出できる者

※「活動実績」とは出願者個人または出願者個人を含む団体による次の項目

・学園祭での展示(展示の内容がわかる状況写真やチラシなど)

・ポスター展示(ポスター写真,ポスターのコピー,またはその内容がわかるもの)

・発表会,報告会などで配布したレジュメ

・刊行物に載せた文章(コピー可)など 特に実地調査,聞き取り調査を主とした活動を歓迎する。ただし,いずれもインターネットによる検索結果だけ,博物館・資料館の見学だけで構成された活動実績や,各種「歴史検定」テストの実績は該当しない。

・活動実績に関するプレゼンテーションを行うことができる者(ただし,調べた内容についての出典を資料に明示すること)

各大学の要項や出願書類の記述要件を確認すると、どのような活動を行なっている必要があるのか、具体的にわかると思います。上位の大学になってくると、たんに何かを行なっているだけではなく、「優秀な成績」や「めざましい活躍」などの文言によって、「実績」や「成果」が求められるようになり、書類審査の時点でふるいにかけられることになります。

「実績」「成果」を求める上位大学

早稲田大学 社会科学部 全国自己推薦入学試験出願資格より抜粋

・学芸系またはスポーツ系クラブなどに所属し、都道府県以上の大会・コンクール・展覧会などにおいて優秀な成績を収めた者。

・生徒会活動において、めざましい活躍をした者。

・資格(語学検定や財務・会計資格など)を有する者。

・その他、学校外での諸活動(クラブ活動、ボランティア活動など)において、めざましい活躍をした者

 

慶應義塾大学 法学部 FIT入試(A方式)出願資格より抜粋

(a)日本語以外のさまざまな外国語の学習に熱心に取り組み、かつその成果を検定試験などで証明できる者。

(b)文化・芸術・技芸・運動等の分野において優れた成績や成果を残したことが証明できる者。

(c)学外活動や課外活動において高いリーダーシップを発揮し、そのことが何らかの形で証明できる者。

(d)ボランティア活動や地域の社会的活動などを熱心に行い、その実績を示せる者。

(e)国際交流や開発途上国援助などの活動に積極的に取り組み、その実績を示せる者。

(f)入試科目に限らない全般的な学業分野で極めて優秀な成績を収めたことを示せる者。

(g)その他の分野で、自己の関心や興味からユニークな実績をあげたことを証明できる者。

慶應義塾大学 法学部 FIT入試 志願者調書 記述要件より

現在,あなたが最も関心を抱いている事柄は何ですか。その事柄にこれまでどのように取り組んできたか,また今後どのように取り組もうとしているか記してください。

慶應義塾大学 文学部 自主応募制による推薦入学者選考 自己推薦書 記述要件より

高等学校では何に力を入れ,どのような成果を上げましたか。具体的に書いてください(資格を取得した場合は,そのことについても触れてください)。また,可能な限り,それらを証明する書類(コピー可)を添付してください。

いくつかの大学を確認しただけですが、ボランティアに限られない、具体的な活動を求められていること、さらに上位の大学においてはまさに「実績」や「成果」の報告を要求されていることがご理解いただけるかと思います。

高校1,2年生から動き出しましょう!

まずは大学側がどのような活動実績を求めているのか、入試要項や出願書類を確認することによって理解しましょう。大学側が要求する活動実績が積み上がっていなければ、出願してもその大学からは評価されることはないということになります。さらに、確認された要件や要求に応じる形で、自分の将来の「志」から逆算したときに、今、高校生として何ができるのかを自分なりにも考えたうえで、実際に活動をしていく必要があります。

したがいまして、繰り返しますが、高校3年生から総合型選抜・学校推薦型選抜の対策を行うのでは遅いと言えます。活動実績を積み上げるためには、高校1,2年生から動いていく必要があります。何を具体的にしたらよいのかわからないという人もいるかと思います。まずは、潜龍舎にご相談いただければと存じます。また、弊塾セミナーにもぜひご参加いただければと思います。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜に向いていない人

多くの人が総合型選抜・学校推薦型選抜にチャレンジしてみようかな、と思うかもしれません。しかし、総合型選抜・学校推薦型選抜には実は向き不向きがあります。そこで、今回は総合型選抜・学校推薦型選抜に向いていない人について述べてみたいと思います(笑)。これからの受験にあたって、参考にしてみてください。

総合型選抜・学校推薦型選抜に向いていない人

以下のような人は、総合型選抜・学校推薦型選抜には向いていません。

①自分の考えや思いを正確に言語化することができない人

総合型選抜・学校推薦型選抜では、小論文に加え、志望理由書などの出願書類を作成する必要があります。自分の考えや思いを正確にかつ丁寧に言語化することが苦手な人や、そもそも自分なりの考えを持っていない人は、試験の性質から総合型選抜・学校推薦型選抜には向いていないと思います。とはいえ、現状では正確な言語化が苦手な人も少しずつ訓練していけば、自分の考えをまとめたり、正しく言語化することができるようになります。したがって、高校1,2年生から小論文の訓練をしたり、自分の将来や目標について言語化していく機会をもちましょう。

②自分の将来の夢や目標について明確なヴィジョンを持っていない人

弊塾のご面談でもたまにあることなのですが、自分が将来何をしたいのかよくわかっていない人がいます。自分の将来の夢や目標が明確に定まらないままに、総合型選抜・学校推薦型選抜を受けたいと言われても、正直無理です。なぜなら、総合型選抜・学校推薦型選抜では、受験生が描く将来の明確なビジョンとともに、そのビジョンを実現するために大学で何をする必要があるのかを、説明しなくてはならないからです。また、特定の職業になりたいとタダ言うだけではダメです。そんなことは、幼稚園児でも言えます。大事なことは、「なってどうするか、どうしたいのか」です。かつて、こんな面談がありました。

佐藤(以下、サ):「将来は何になりたい?」

受験生:「警察官です。」

サ:「どうして警察官になりたいの?」

受験生:「公務員だし、安定しているからです。」

サ:「ふーん。それじゃあ、警察官になって何がしたいの?」   

受験生:「うーん…」

ごめん、総合型選抜・学校推薦型選抜に全然向いてない(笑)。警察官になるという目標を否定しているわけではありません。しかし、たとえば「警察官になって、今後増加するであろう外国人への対応を改善したり、過疎化が進む地域で生じる新たな治安の問題に取り組みたい」とか「安倍政権における選挙時に路上で政権批判を行った人への警察の対応を見て、警察機構のあり方を考え、あるべき警察の役割を果たしたい」といった志を持っているかどうかが大事なのです。「公務員で安定しているから、警察官になりたい」というのであれば、大学側も専門学校に行ってくださいと言わざるを得ません。また、高3の夏休みから突然、自分探しをされても困ります。自分の将来の夢や目標は、高校1,2年生から少しずつかつ具体的に考えていくようにしましょう。

③何かに対する強烈な興味や関心がない人

将来何になるにしても、大学で学ぶには大まかにでも自分なりのテーマが必要です。自分が何に興味や関心があり、何をしたいのかが把握できていないと、大学で何を学びたいのかという点を志望理由書や面接などで説明することができません。自分が強烈に興味や関心を掻き立てられるテーマや事柄がない人は、総合型選抜・学校推薦型選抜に向いていないといえます。アイドルでもアニメでも、食べ物でもなんでもあなたが大好きなこと、気になって仕方がないこと、あるいは怒りや不満を感じていることから、興味や関心の幅を広げ、対象への思いを深めていくことが大切です。

④a:将来の就職なども考えてとりあえず大学に行こうと思っている人  /  b:学部学科は問わず、ともかく偏差値が上位の大学に入ることができれば満足だという人

aの人は、先の③の人とも共通するかもしれません。まだ、将来やりたいことや将来どうしたいかが見つかっていない人は、悪い意味ではなく入試制度として総合型選抜・学校推薦型選抜には向いていません。とりあえず、大学に行こうという人は一般入試に向けてしっかり勉強をして、入学後、自分の道を模索していくとよいと思います。 bの人も一定数いると思います。総合型選抜・学校推薦型選抜において、「貴学は難関大学であり、偏差値の高い大学に合格することが自分の目標だ」と書いたり、述べたりしたら、合格しないでしょうね。そもそもの総合型選抜・学校推薦型選抜の趣旨と合っていないからです。

⑤法曹・教員などの資格試験に合格することのみを目的としている人

これも②の人と重なると思います。司法試験や教員採用試験に合格し、弁護士や裁判官になること、教員になることを志している人もいると思います。しかし、②と同様に、合格は手段であって、そこから社会のために何をしたいのかという志を明確に持たず、示すことができない人は、総合型選抜・学校推薦型選抜には向いていないと言えます。資格試験の合格は手段でしかありません。そうした資格を持って職に就いたときに、何をしたいのか、これを示すことが総合型選抜・学校推薦型選抜では大事なのです。

総合型選抜・学校推薦型選抜に向いている人

上記の反対を考えればわかるように、総合型選抜・学校推薦型選抜に向いている人は、以下のような人でしょう。

①自分の考えや思いを明確に他者に伝えることができる人

②自分の将来の夢や目標を明確に持っている人

③何かに対する強烈な興味や関心を持っている人

④大学が研究機関であることを理解し、新たな知の創発のために学びや研究を深めたいと考えている人

⑤何らかの資格を取ったうえで、それを手段として問題解決や新たな仕事を生み出したいと考えている人

自分の将来や目標は、すぐに明らかになるものではないと思いますし、高校生ならば大いに悩んでしかるべき事柄です。だからこそ、高校1,2年生から自分の将来や目標について折を見て考えていく必要があるわけです。また、自分が将来何をしたいかは、多様な方向にアンテナを張っていなければ、なかなか見つかるものではありません。自分が苦手だなと思うことでも取り組んでみたり、今までやったことがないことにもチャレンジしてみることで、新しい発見を得られたり、可能性を見出すことができ、将来の方向性が見つかることもあります。有意義な高校3年間を過ごし、将来への一歩を歩みだすためにも、自分の将来について真剣に考えてみる場として潜龍舎を活用しましょう!

 

とりあえず「公務員になりたい!」と言ってくる人へ

(公務員について何も知らずに、まぁ、よく言えたものだ…。)

とりあえず「公務員になりたい!」って言ってくる人

総合型選抜受験志望ということで、面談をすると「将来、公務員になりたい!」と仰る方が一定数います。総合型選抜では、受験生の志を含めた多面的な人物評価がなされます。将来、何になりたいのかは、小学生でも言えます。したがって、重要なのは、「なって、どうするか」ということなのです。試験の性質上、将来、公務員になります(なりたい)と志望理由書や面接で述べるだけでは、意味がありません。

公務員という仕事が何なのか理解していますか

公務員というのは、地方公務員にしろ、国家公務員にしろ、国や地方公共団体などの職員として、広く国民に対し平等に働くことを活動目的として、営利を目的とせず、純粋に人と社会のために、幸せな生活の舞台をつくり支える仕事を担う職業だと言えます。したがって、そこで大事になってくるのは、公務員になって何をしたいのか、ということなのです。また、起業したり、民間企業に勤めるのではなく、公務員として働く目的や理由を志望理由書や面接などでも説明する必要が出てきます。

なぜ、公務員の身分や生活が安定しているのか、知っていますか?

公務員が安定していると言われるのには理由があります。公務員がその身分を強力に保障されているのは、短期的な業績や経済動向に左右されることなく、長期的な視点に立って、誰かのためになる仕事に対して、じっくりと職務にあたることができるからです。突然の失業のリスクや心配がなく、社会全体のために仕事ができるのは、公務員独自の魅力だと言えます。こうしたメリットを踏まえたうえで、公務員になってあなたが取り組みたいことは何なのか、公務員にならないとできないことは何なのかについてよく考えてから、将来の志望について説明していく必要があります。

佐藤の本音(笑)

とりあえず、公務員になりたいって言ってくるヤツ、何なんだ?。夢も志もなく、ただ、なりたいと言われても、志望理由書は書けないし、評価の対象にもならないぞ。安定してるから、というのは、上記のような理由があるからだぞ。すべての国民に平等に奉仕するために、公務員の地位は安定しているんだ。君の生活や将来のために安定しているんじゃない。そのあたりもよく理解したうえで、公務員にならなければできないことや、その理由、目的をきちんと考えて、説明していくようにしような。

 

総合型選抜・学校推薦型選抜 対策の闇

総合型選抜・学校推薦型選抜対策における闇を見てもらいたいと思います。以下のような状態が複数当てはまる受験生の対策は困難を極めるか、そもそも対策そのものが成立する段階にないため、弊塾では入塾を許可しない場合があります。つまり、総合型選抜・学校推薦型選抜をそもそも受験することができない状態です。そのような状態でも、真顔で真剣に「総合型選抜・学校推薦型選抜を受験したい」と述べる受験生には、闇があります…。

・志望校のネームバリューだけで大学を選択している…(=志がない)

総合型選抜・学校推薦型選抜で「早稲田大学に行きたいです!」、「慶應義塾大学に行きたいです!」、「上智大学に行きたいです!」というけれども、じゃあ、「何のために何を大学で学びたいですか?」といって沈黙する受験生、けっこういますね。ネームバリューだけで大学への憧れを語られても、総合型選抜・学校推薦型選抜で合格することはありません。いつも述べておりますように、将来何を成し遂げたいのかという「志」から逆算したときに、何を学び、何を研究する必要があるのか、どのような体験を大学で得る必要があるのかを考えたうえで、大学を選択する必要があります。ネームバリューで大学を選択する人は、どうぞ一般入試へ。

 ・志望がお花畑…

「私は将来、〇〇〇になって、みんなを笑顔(幸せ)にしたいです!」。こうした文章を志望理由書に平気で書いてくる受験生も闇が深い…。ありがとう。言っていることは間違っていないと思うし、そのピュアな気持ちはいつまでも持っていてもらいたいけれど、志望理由書や面接においてこういうお花畑な言説は控えてもらいたいです。みんなって誰ですか、笑顔にする、幸せにするって具体的にどういうことなのでしょうか。どのような問題意識から誰のために、具体的に何をしたいのかを説明する必要があるんですよ。ことばは綺麗ですけれども、内容がまったくない記述です。

・文章を書く訓練もしたことがないのに、何か書類を出せばワンチャン合格すると考えている

志望理由書、自己推薦書、研究計画書などの出願書類においては、自己表現を行う必要があり、大学教員が読むにふさわしい記述を行う必要があります。しかし、これまで文章を書く訓練をまったくしておらず、適切な文体、語彙、構成、内容を持った記述ができなければ、出願書類すら作成できないのです。書類を出しさえすれば、なんとなかなるという意識では全くダメです。そもそも文章を書くことができないのにもかかわらず、総合型選抜・学校推薦型選抜の受験を考えているならば、相当な努力をする覚悟を持って臨む必要があるといえます。

・外国語資格試験の成績を有していない

昨今の総合型選抜・学校推薦型選抜では、英検やTOEICなどの外国語資格試験について一定のスコアを有していることが出願条件になっている場合もあります。出願要件になっていなくとも、他の受験生がそうした外国語資格試験の成績をもっているなかで、自分が一定の成績を有していなければ、それだけこの試験では不利になります。「外国語資格試験を持っていないとダメですかっ!?、受験できないんですかっ!?」(←ちょっと怒ってる…)と受験生や保護者の皆様(特に保護者の皆様は、半ギレ状態でお尋ねになりますね)によく聞かれます。ダメではないですが、外国語資格試験の成績を有していなければ、選考のなかで他の受験生と比較された場合に確実に不利になりますよとお伝えしている次第です。

・活動実績がない

活動実績報告書や志望理由書のなかでもこれまでの自身の活動を説明していく必要があるのにもかかわらず、言葉の真の意味で活動実績がない人、闇が深いです。なぜ、何もしていないのに、受験しようと思うのでしょうか。謎です。「部活しかしてなくて、ボランティアなどもまったく行っていません…」と申し訳なさそうに言われましても、ないものは書くことはできませんし、何も書いていない書類を大学教員が見て、どう判断するかは一目瞭然です。活動実績がないのに、本気で総合型選抜・学校推薦型選抜に合格できる、出願できると思っている人も闇が深いです。

・スポーツ強豪校でも、自分はスポーツ実績も学力を示す英検等の資格も有していないのに、評定平均値だけでスポーツ系総合型選抜のワンチャンを狙う

スポーツ強豪校で部活が全国大会に出ていても、3年間ベンチ入りすらできなかったのに、「スポーツ系総合型選抜のワンチャン狙い君」。そう、君、君。君も闇が深い。学校の成績は一応良かったとしても、スポーツ推薦はそんなに甘くないですよ。間に合うならば、まずは英検2級を取ってくださいね。将来のことを何も考えずに3年間ひたすら部活しかしていない人は、本当に闇が深い。

・「公務員になりたいです」

こんなに不景気で、社会も安定していないと多いですよね、公務員志望者。なぜ、公務員になりたいの?と聞くと、驚くほど臆せずに「安定しているからです」と答える人、闇が本当に深い。でも、はき違えないでくださいね。公務員の身分や待遇が安定しているのは、あなたのためではないです。

 

 

 

潜龍舎オープンチャットでは、上記の点についてご質問を随時お受けしております。

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潜龍舎の強み-完全1対1個別指導

総合型選抜・学校推薦型選抜の対策指導を行う大手塾さん、たくさんあります。総合型選抜の対策指導、みなさん当然行っています。 この時期は、各大手塾さんもセミナーやら説明会やら実施していますので、のぞいてみてくださいね。ちなみに弊塾のセミナーは下記のとおり。

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潜龍舎のスタッフは全員が博士号の学位を有し、大学でも講義を担当し、学術論文を執筆する現役の研究者です。したがって、潜龍舎が大手塾さんと異なるのは、入試審査官である大学教員のニーズを知り尽くし、アカデミズムの立場から指導を行う点にあります。大学における学問や研究の観点から志望理由書作成指導や小論文指導を行う点が、他塾の指導者とは明確に異なり、大きな強みであると言えます また、弊塾の特徴としては、一対一の完全個別指導です。大手塾のなかには、指導者一人で複数生徒の指導を同時間内に行うところもあるようです。しかし、過ごす時間や指導の密度は当然、個別指導のほうが高くなります。さらに、指導時間以外にもLINEやメールなどで随時質問対応が可能です。生徒との連絡を密に取りながら、生徒とともに伴走して臨むスタイルが弊塾の大きな特徴だと言えます。まとめましょう。

潜龍舎の指導の強み

1.潜龍舎は現役の研究者集団であり、大学教員のニーズを知り尽くし、アカデミズムの立場から指導を行う。

2.完全個別指導+随時質問対応可能

3.生徒の将来を考え、生徒の問題や課題に寄り添った指導を行う。

総合型選抜・学校推薦型選抜 志望者のみなさん、ぜひ、大手塾さんも見ていただいたうえで、弊塾のご利用をご検討いただければと存じます。しかし、潜龍舎では、職人気質の極めて強いプロのスタッフが、一人一人の生徒に、時間をかけて、丁寧に小論文や志望理由書、面接等の対策を行います。したがって、指導できる生徒数に限りがありますので、お早目のご相談、ご入会をお願いいたします。

 

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「総合型選抜・学校推薦型選抜に向けて」 高校1年生編 - 潜龍舎 / 総合型選抜・学校推薦型選抜対策専門塾

「総合型選抜・学校推薦型選抜に向けて」 高校2年生編 - 潜龍舎 / 総合型選抜・学校推薦型選抜対策専門塾

 

 

総合型選抜(AO入試)・学校推薦型選抜 受験予定者 推奨参照記事

総合型選抜・学校推薦型選抜で「絶対に」合格したい人が読むべき記事 まとめ

 

 

合格体験記

早稲田大学 スポーツ科学部 合格体験記【2023年度入試】

早稲田大学 スポーツ科学部 自己推薦入試 合格体験記

慶應義塾大学 法学部 合格体験記

慶應義塾大学 総合政策学部 合格体験記

上智大学 総合人間科学部社会福祉学科 合格体験記

東洋大学 自己推薦入試 合格体験記

日本体育大学 総合型選抜 合格体験記 

津田塾大学AO入試合格体験記

東京女子大学「知のかけはし入学試験」合格体験記 

日本女子大学 総合型選抜 合格体験記

日本女子大学 総合型選抜 合格体験記【2023年度 家政学部 児童学科】

白百合女子大学 総合型選抜入試  合格体験記

筑波大学 学校推薦型選抜 合格体験記

広島大学 総合科学部 総合科学科(文科系)合格体験記

東京学芸大学 合格体験記

愛知教育大学 合格体験記

宮城大学 看護学群 看護学類 合格体験記

埼玉県立大学 合格体験記

 

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潜龍舎 大学受験 進学先

2018

慶應義塾大学 法学部

同志社大学 心理学部

愛知医科大学 医学部

天堂大学 医療看護学部

京都府立医科大学 医学部看護学科

奈良県立大学 医学部看護学科

2019

慶應義塾大学 法学部(FIT入試)

東京学芸大学 E類教育支援課程 ソーシャルワークコース

東京学芸大学 E類教育支援課程 表現教育コース

横浜市立大学 国際商学部

京都教育大学 教育学部 数学領域専攻

獨協大学 外国語学部 英語学科

日本女子大学 文学部 史学科

順天堂大学 スポーツ健康科学部

順天堂大学 スポーツ健康科学部

順天堂大学 保健看護学部

大東文化大学 スポーツ科学部

国際武道大学 体育学部

2020

早稲田大学 基幹理工学部 学系Ⅱ

慶應義塾大学 通信教育課程 文学部

上智大学 神学部 神学科

上智大学 文学部 英文学科

青山学院大学 地球社会共生学科

東洋大学 ライフデザイン学部 人間環境デザイン学科

津田塾大学 学芸学部 国際関係学科

東京女子大学 現代教養学部 心理・コミュニケーション学科

国士館大学 体育学部 スポーツ医科学科

2021

東京学芸大学 教育学部 B類 中等教育教員養成課程 理科専攻

東京学芸大学 教育学部 C類 特別支援教員養成課程

慶應義塾大学 総合政策学部

上智大学 総合人間科学部 社会福祉学科

明治大学 商学部

東洋大学 ライフデザイン学部 生活支援学科

東京女子大学 現代教養学部 国際英語学科

日本女子大学 人間社会学部 社会福祉学科

日本女子大学 家政学部 住居学科

日本体育大学 スポーツ文化学部 スポーツ国際学科

白百合女子大学 人間総合学部 児童文化学科

白百合女子大学 人間総合学部 児童文化学科

白百合女子大学 人間総合学部 初等教育学科

玉川大学 芸術学部 メディア・デザイン学科

北里大学 看護学部 目白大学 保健医療学部 理学療法学科

帝京科学大学 医療科学部 理学療法学科

2022

早稲田大学 スポーツ科学部

早稲田大学 スポーツ科学部

早稲田大学 スポーツ科学部

早稲田大学    スポーツ科学部

白百合女子大学 人間総合学部 児童文化学科

日本大学 薬学部 薬学科

大東文化大学 スポーツ健康科学部

埼玉大学 経済学部

横浜国立大学 都市科学部 環境リスク共生学科

浜松医科大学 医学部 看護学科

愛知教育大学 学校教員養成 養護教育専攻

京都教育大学 教育学部 数学領域専攻

大阪教育大学 学校教育養成課程 小中家政教育コース

2023

早稲田大学 スポーツ科学部

東洋大学 社会学部

日本大学 文理学部 中国語中国文化学科

日本女子大学 家政学部 児童学科

白百合女子大学 人間総合学部 児童文化学科

日本赤十字看護大学 さいたま看護学部

新潟青陵大学 看護学部

広島大学総合科学部総合科学科

筑波大学 人文・文化学群 比較文化学類

宮城大学 看護学部

北海道教育大学 函館校 国際地域学科 地域教育専攻

 

 

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